世にも美しい数学入門をよんで
はい、小川洋子さんと藤原正彦さんの対談集です。数学は、ただ圧倒的に美しいものです。数学者は断言する。作家は、鋭い質問により美しさの核心に迫ってゆく。こんなことばが裏表紙の要旨です。美しさの最たるものは、天才オイラーがもたらしたものではないでしょうか。エクスポネンシャルのe。もう忘れていましたが、自然対数の底ですね。円周率のπ。虚数のi。これらを乗数で混ぜると1になる。あまーい、という漫才師がいますが、美しすぎますね。たしかに。他にありますのは、円周率は、"素数"の逆数の加減を交互に無限に行うことにより定まる。素数は無限であるが、人類が見つけている一番大きな素数がある。完全数、友愛数、社交数。小生わからないなりに感銘を受けたことがある。次のことば。悪魔的命題があたら数学者の命を奪う。正しいか正しくないかを判定できない命題が存在する。つまり、原理的に真偽を判定できない命題がある。一生をかけても解けないなら、自分の力量不足を恥じて後輩に託すことができる。しかし、その命題が、そも解けない問題であるおそれがあるのだ。カート・ゲーデルが1931年に発見した不完全性定理とは、そういうものであったそうだ。そうならば、他のビジネスチャンスを見つけるため、はやく判定したい。そう考えた、アラン・チューリングが証明してしまったものとは、いったい何か。悪魔的命題であるかを、あらかじめ判定する方法がないことを証明した男が彼である。落胆した(かどうかはわからないが)彼は、実業に下った。コンピューターを発見したのも彼である。ぜひご一読を、お薦めする本であります。