「精霊の守り人」 上橋菜穂子
もう皆さんとっくに読んでますか??子供のファンタジーとあなどることなかれ。 爆読でした。 100年に一度卵を産む精霊〈水の守り手ニュンガ・ロ・イム〉に卵を産みつけられ、〈精霊の守り人〉としての運命を背負わされた新ヨゴ皇国の第二王子チャグム。母妃からチャグムを託された女用心棒バルサは、チャグムに憑いたモノを疎ましく思う父王と、チャグムの身体の中にある卵を食らおうと狙う幻獣ラルンガ、ふたつの死の手から彼を守って逃げることになるのだが・・・ ファンタジーなのですが、ところどころ「和」のテイストが入ってます。お偉いさんが一段高い「畳」の上に坐っていた と畳がすんなりでてきたり、イラストにある王子の髪型は耳の横で細長い「輪」のようにしばり、腕の部分も柔らかい布がたっぷり使われたもので、まさに聖徳太子状態です。なのに、並行して存在する見えない別の世界「「ナユグ」があり、自分たちは「サグ」という世界にいる とか、主人公たちはもろファンタジーっぽい服装をしていて、不思議な和洋折衷です。そして主人公は30歳女子。若くて元気なだけじゃなくて「人生いろいろあるさー」でして、その辺りにも単純な読み物ではないツボがあるみたいです。日経では、この主人公に助けられて旅をする王子の「成長の物語」という点で、子供が読むといいのでは? という紹介でしたが、それだけじゃなかったですよ。産み付けられた精霊の卵ってどんなん? とか、卵が大好物の天敵との攻防とか、主人公のわけあり人生とか、とにかくなかなか重厚な正当ファンタジーのように思いました。日本の人でも という言い方も変ですが、ここまで書けるんだなー と感心しきりでした。続きもので、このあと2作は一緒に借りてきているので、楽しみです。今日は夕方チビ子を美容院に連れて行ってきました。量を調節してすっかりご機嫌で帰宅したのですが、母はちっとも切りにいけてなくて、「なんだかなー」と思いながら美容院で鏡を避ける始末です。