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カテゴリ:与太話
オタクだけの理想国家って作れないものか?
―――――― オタクにとってのユートピアを造ろう……という話か。 やっぱり難しいんじゃないか。 まず考えなければならないのは、「オタク」という言葉は本来、「ある特殊な技能に秀でた人々の総称」という側面を持つ言葉だったが、ここ数十年でオタクという人種を取り巻く環境も、そもそも言葉の定義すらも変化してしまっているという事だ。 アニメをはじめとするコンテンツ産業が大きく発達した事で、「オタク」という称号を得るにはただそれらを基軸とする趣味に嵌まり込めばいいだけになった。さらに広義ではコンテンツ産業のみならず、ある物事にハマっている人全般を指しているとも言える。 つまり、時代の流れとともにオタクとは特殊技能者の集団ではなく、単なる「消費者」へと変化していったのだ。 歴史を鑑みると、消費者階級としての人々が運営していた国家には古代ギリシャの都市国家が挙げられるだろうが、ギリシャの自由民が消費者階級たり得たのは「奴隷制」という労働システムを構築したからだという。日常の労働は奴隷に任せ、市民は余暇をスポーツや文化活動に充てる。労働の苦役から解放されたからこそ彼らは消費者として、ああまで文化・学問を発達させる事ができたのである。 では、これをオタク国家に当てはめて考えてみるとどうなるのだろう。 今の時代、オタクは「消費者」であるとは既に述べた。 だが、古代ギリシャの例と根本的に違うのは、消費者としてのオタクが自らの手で文化を何ら生み出そうとしない点にあるのではないだろうか? 消費者オタク達は、日々様々な企業から与えられた作品を楽しみ、享楽的な趣味生活を営んでいる。仲間や友人たちと趣味について語り合う事もあるだろうが、それは決して批評の域を出るものではない。 真の意味でオタク文化を創造しているのは市井に溢れる個人的な批評家たちではない。 その任を負っているのは企業……否、一人一人のクリエイター達である。 そして、大多数の消費者と比してそれらの人々がごくごく少数でしかないのは、言うまでも無い。 ―――――― 24 メロン名無しさん :2008/05/14(水) 22:14:35 ID:???0 若年期に吸収した記憶と価値観だけを反芻して生きていくようなものだ オタクは文化を食べるだけでろくに生み出せないからね 83 メロン名無しさん :2008/05/16(金) 11:51:50 ID:???0 作品鑑賞するだけの消費者でしかない 文化消費者だけで生産者のいない社会をつくってどうする?ってことだろ 結局日本からハリウッドからフランスから東欧から文化を輸入するしかないわけだが 輸出するのは同人誌か? ―――――― 消費者だけを集めても国家は立ち行かない。労働によって生産を行う人々が必要なのだ。 ギリシャの人々は奴隷の労働によって得られた産物の消費者であったと同時に、文化においては生産者であった。 現代の「オタク」とされる人々は職にはついて社会的生産活動を行っていても、文化的には消費者としての傾向に偏りがちであり、文化生産者としての側面は半ば忘れ去られている。 消費者(兼批評家)だらけの状況では、やはり文化は生まれ難いと思われてならない。 何も古代ギリシャのような国にすればいいと主張する訳ではないが、歴史上の彼の国のケースそのままで考えると、オタク国家は少数の生産者が多数の消費者に奉仕するという逆ピラミッド型の奇怪な社会階層が出来上がる事になる(あくまでオタク文化について考えた場合)。考えるまでも無く非効率的である。 では、どうすれば良いのか。 48 メロン名無しさん :2008/05/15(木) 08:44:47 ID:pZ3k0mBtO そのヲタ同士の中で新たな階層が生まれるだけさ。 おそらく見る専の非生産的なアニヲタは最下層に属することになるだろうな。 92 メロン名無しさん :2008/05/16(金) 16:30:14 ID:???0 一級市民 原作者・発明者 他 二級市民 同人作家 奴隷階級 馬車馬のように働き上流社会を支える下層階級 ……やはり、↑のようにならざるを得ないんじゃないだろうか。 社会的生産者はより下の階級へ、文化的生産者はより上の階級へ。 ギリシャの都市国家との違いは、一級市民が生産した文化は下層階級へも行き渡るという点である。労働の対価として自らの趣味についての作品を手にする事ができるのだ。 オタク文化が行き渡らずに上層だけに占められているとすれば、それは既に「オタク国家」としてのアイデンティティを喪失していると言えそうだ。 図にするとこんな感じ。 奴隷(社会的生産者・文化的消費者) 労役・生産物↓ ↑オタク文化 クリエイター(社会的消費者・文化的生産者) これならばしっかりギブ・アンド・テイク(?)。 もともと広義の同じ文化を愛好する人々によって生み出された国家である以上、文化への貢献度を基準としたある程度の身分が誕生してしまうのは止むを得ないのかもしれない。 少数のクリエイターだけが消費者の飽くなき欲望に喰われ続けるというのもおかしな話だしなあ。 しかし、 117 メロン名無しさん :2008/05/17(土) 00:58:07 ID:???0 もう十分理想国家なんじゃないか。 現に日本より理想的なオタク国家なんてないじゃん。 今だって、大量のオタク文化を享受でき社会の一部として組み 込まれそれらを消費し、その気になれば作り手にだってなれるんだぜ。 なにが不満なんだ。そんな大手を振って趣味を認めてもらえなくても いいんじゃね。 118 メロン名無しさん :2008/05/17(土) 01:17:36 ID:???0 >>117が結論 日本で生きられないならどこ行ってもだめだろうな このレスがやっぱり真理なんだろう、と思う。 わざわざ故郷を飛び出してユートピアを作ったつもりが、実はディストピアだった――なんてそれこそ漫画やアニメの世界のようだ。 そんな構想は、ムーやアトランティスのように海中深くへ沈めてしまった方が良いのかもしれない。 追記 広義でオタクっつっても、狭義だとかなり細分化しているハズ。 方向性の違うオタク同士をいったいどうやって一国家の国民として纏め上げるというのだろう? オタクにおいては趣味の方向性の違い=そのまま価値観の違いという事に直結しかねない。 しかも(俺は未だ見た事はないが)、どうやら方向性の違いによる派閥間抗争のようなものが存在しているとも言うじゃないか。 ……どうやら国を作る前にやるべき事は、価値観の大まかな統一のようだ。 しかし、それって思いっきり思想統制なんだよなあ。 多くの人々を「烏合の衆」から「共同体成員」へとステップアップさせるのは、どうやら非常に難しい作業らしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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