少し自分の話をしてみよう2
大学卒業後、大手ではない大学受験予備校に就職。教務運営という、何をしていたか、文字面ではわからない仕事をしていましたが、簡単に言えば、生徒の受験指導をするチューターという仕事がメインだった。その傍ら、担当する高校への定期訪問を兼ねた営業。若い会社だったこともあり、同年代の同僚ばかり。担当していた生徒は100人を超えていたが、若かったこともあり、生徒個々の学校、志望校などすべて頭に入っていた。残業も多かったが、仕事も充実していたし、給料もバブルがはじけていたとはいえ、今から考えると身分不相応なものをもらっていた。同僚も大学受験予備校らしく、高学歴で頭の回転が速く、一緒に仕事していて、楽しかった。中には、社員でありながら、授業を担当していた同僚も数多かった。でも、私は学生時代に塾講師をしていたわけでもなく、家庭教師の経験もなく、授業は担当していなかった。別にそれに対して、負い目があったわけでもないが、これといったスキルも必要がない仕事。また、担当していた生徒には優秀な子が多く、超難関国立大学に進学した子も少なくなかった。将来を見据えた考えもしっかりしていて、これこれこうだから、この大学のこの学部に進学したい、と目標も明確。なんとなく、進学した私とは大違い。自分の将来を描く、と言ったら、大袈裟だけど、この会社にそのまま止まっても、どんな人生を送るのか?見通せなかった。すでに20代の後半となり、これから新たにスキルを身につけて…と考えた先に、これまた安易ながら、父の仕事である税理士というものが身近な職業だった。税理士試験に関する書籍、特に合格体験記的なものを読んでみると、税理士受験勉強を始めて、仕事しながらでも、5,6年で合格しているらしい。父も勤めながら税理士試験に挑戦し6年で合格したようだ。自分なら5年以内で合格できるのではないかと、当時は過大評価していたことを思い出す(笑)充実した仕事、刺激を与えてくれる同僚、そこそこの給料、昇進もすべて投げ捨て、たった3年のサラリーマン生活を捨てて、泥沼の税理士試験に突入していった。次につづく。