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カテゴリ:わんこでもわかる栄養学
前回復習で終わってしまった脂質の話ですが、今日はコレステロールについて
コレステロールは、約200年前に人の胆石の中から発見され、胆汁(ギリシャ語でコレ)の 固形化したもの(ステリン)、としてコレステリンと名付けられました。(英語ではコレステロール)。 発見のいきさつからも良いイメージは持たれませんでした。 その後、ウサギにコレステロールを多く含む餌を与え続けると動脈硬化を起こしたという実験結果が 発表され、コレステロール悪玉説はいっそう広まってしまったのです。 でも、コレステロールは、すべての動物が保有し、生体内で重要な働きをしています。 生体に不可欠な物質であり、生体内で重要な働きをしていることが明らかにされ、 人々のコレステロールに対する認識は近年ずいぶん変わってきました。 働きのひとつは、細胞膜の構成成分の一つであるということです。 細胞はあらゆる生物の基本単位です。人間の細胞は60兆個にものぼると言われます。 細胞膜はリン脂質とたんぱく質、そしてコレステロールから出来ていて、細胞内部を外部から 保護し、物質やエネルギーを出入りさせています。 コレステロールの4分の1は脳に存在し、その大部分は、神経細胞の軸索を包み、保護している鞘にあります。それはミエリン鞘と呼ばれ、脳から体の各部分に神経情報が伝達されるときに、情報がほかの回路に迷い込むことなく正しく伝えられるように、神経線維(軸策)を保護しています。 また、コレステロールは、ホルモンの原料として使われ、ステロイドホルモンと呼ばれるホルモンは、副腎皮質、精巣、卵巣、胎盤でコレステロールから作られます。 中でも副腎は小さな臓器ですが、体内で最もコレステロールの含有率の高い臓器で、皮質と髄質に分かれていて皮質の部分で50種類にも及ぶホルモンが作られています。これらは副腎皮質ホルモンと呼ばれています。 さらに、コレステロールは胆汁酸の原料にもなっています。胆汁酸は肝臓で作られる胆汁の成分で、脂肪の消化にかかわっています。脂肪は十二指腸で膵臓から分泌される消化酵素の「リパーゼ」によって消化されますが、胆汁酸は脂肪を水に溶けやすくしたり、リパーゼを活性化したりして、脂肪の消化吸収を促進しています。 このようにコレステロールは、私たちが生きていく上でなくてはならない物質なのです。 体内では、一日に1gから1.5gのコレステロールが合成されています。通常の食事由来のものの約3倍が体内で作られていることになります。 生体にとって不可欠な物質だからこそ、そのような仕組みになっているものと考えられます。 コレステロールを多く含む食品を食べると、本来は調節機能が働き、肝臓でのコレステロールの生産が抑えらます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年10月06日 23時01分29秒
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