「2022年」創業100周年は全国で1334社 、100年超の老舗企業は4万769社に
東京商工リサーチのサイトより コロナ禍から経済復興に期待が膨らむ2022年。創業100周年(1922年創業)を迎える企業は、全国で1,334社あることがわかった。2021年の3,696社に比べると3分の1と少ないが、旭化成や東邦ガス(東邦瓦斯)、東急、フジパンなど、業界を代表する企業が名を連ねる。 また、2022年に創業から100年を超える老舗企業は、全国で4万769社に達する。 100年前の1922年。1920年からの第一次世界大戦後の不況が続き、シベリア出兵、ソビエト社会主義共和国連邦の成立など、時代はまだ混迷から抜け出せずにいた。さらに、翌年の1923年には関東大震災も発生するなど、1922年は艱難辛苦(かんなんしんく)の連続だった。 こうした時代に創業した100周年企業は、前出の企業に加え、総合試薬メーカーの富士フイルム和光純薬、食品スーパーのヤマナカ、出版大手の小学館など、錚々たる顔ぶれが揃う。 また、200周年(1822年創業)は、料亭の大観楼(宮城県)、九谷焼窯元の鏑木(石川県)など8社。創業300周年(1722年創業)は、竹材販売の勢山竹材店(大阪府)、数珠の亀井珠数店(京都府)の2社。400周年(1622年創業)は、医薬品製造販売の樋屋製薬(大阪府)の1社がそれぞれ確認された。 一方、戦後生まれの創業50周年(1972年創業)は、JA全農の全国農業(協組連)、伊藤忠テクノソリューションズ、ファナックなど2万7,307社を数える。周年企業 100周年は1,334社、400周年は桶屋製薬(株) 2022年に周年(50周年および100年単位)を迎える企業は、全国で2万8,652社。50周年が2万7,307社(構成比95.3%)、100周年が1,334社(同4.6%)、200周年が8社、300周年が2社、400周年が1社で、200周年以上は11社にとどまる。 最も古い周年企業は、1622(元和8)年創業の「樋屋奇応丸」で知られる桶屋製薬(株)(大阪府)が創業400周年を迎える。元和8年に「奇応丸」を創薬し、天保8年の大塩平八郎の乱では建物が焼失した歴史も持つという。 次いで、300周年は、竹材販売の勢山竹材店(大阪府)など8社。勢山竹材店は、1722(享保7)年の創業とされる。 200周年は、1822(文政5)年創業の(株)大観楼(宮城県)など8社。 50周年はJA全農の全国農業(協組連)や伊藤忠テクノソリューションズ、ファナックなど2万7,307社。 産業別周年企業 最多は100周年が製造業、50周年は建設業 周年企業を産業別でみると、周年企業を産業別でみると、創業50周年は建設業が9,808社(構成比35.9%)と全体の3分の1を占める。1972年の第一次田中内閣発足で、日本列島改造論で沸いた時代を反映している。 次いで、サービス業他4,950社(同18.1%)、製造業3,536社(同12.9%)、卸売業2,893社(同10.5%)、小売業2,678社(同9.8%)と続く。 100周年は、製造業が335社(同25.1%)で最多だった。小売業の233社(同17.4%)、卸売業の216社(同16.1%)、50周年でトップの建設業の197社(同14.7%)と続く。 周年企業は、時代を映す鏡でもある。どの時代も製造業が強いが、「老舗」ブランドを生かす小売業や卸売業も光る。地区別 100周年は関東が最多 地区別は、50周年の最多は関東の9,454社(構成比34.6%)。次いで、近畿が4,086社(同14.9%)、中部が3,681社(同13.4%)と続く。100周年も、関東の448社(同33.5%)で最多。近畿が235社(同17.6%)、中部が172社(同12.8%)の順だった。 都道府県別では、50周年は東京都が3,314社(同12.1%)、大阪府が1,956社(同7.1%)の順。100周年も、東京都241社(同18.0%)、大阪府112社(同8.4%)、愛知県71社(同5.3%)と続く。創業100年超の老舗企業 2022年は全国で4万769社 2022年の業歴100年超の老舗企業は、創業100周年の1,334社を含め4万769社を数える。 宗教法人などを除く老舗企業は、最古が578年創業の社寺建築を手がける金剛組(大阪府)。現存する企業では世界最古と言われ、風雪に耐えながら記録を伸ばしている。 次いで、華道「池坊」の一般財団法人池坊華道会(京都府)が587年に創業、世界最古の宿とギネス認定された西山温泉慶雲館(山梨県)は705年の開湯、老舗の温泉旅館の古まん(兵庫県)は717年に創業、旅館の善吾楼(石川県)は718年に創業で、業歴1,000年を超える企業は7社を数える。 2021年も新型コロナウイルス感染拡大で揺れた1年だった。コロナ関連の資金繰り支援策で企業倒産は低水準が続くが、度重なる緊急事態宣言などの発令で企業のダメージは深刻さを増している。コロナ関連破たんは月を追うごとに増勢をたどり、後継者問題も絡んで今後は老舗企業の廃業も懸念されている。 2022年に創業100周年を迎える企業は、全国で1,334社ある。創業翌年に関東大震災に遭い、第2次世界大戦、恐慌、石油ショック、バブル崩壊、金融危機、リーマン・ショック、東日本大震災と「100年に一度の災害」を幾度となく乗り越え、新型コロナにも立ち向かっている。 さらに200年、300年と歴史を紡ぎ続ける企業は、柱となる事業を構築しながら、時代に沿った柔軟な経営も続ける。現在、多くの企業にのしかかる事業承継を何代にも渡って続け、時代の荒波を乗り越えてきた。 コロナ禍で過剰債務を抱えた企業は多い。コロナ収束の見通しが立たない今こそ、老舗企業の足跡を学び、事業継続に向けた経営を見直すことも必要だろう。----------------------私の意見--------------------------関東大震災・太平洋戦争・バブル崩壊と創業100年を超えた企業から学ぶことは多い、お客様から信頼されているからこそ100年を超える社歴を刻んできたのだと思う。またその精神が後輩にも受け継がれてきたのだと思う。そして世の中の情勢に合わせて変えてきたのだとも思う。それとしっかりとしたコンプライアンスなのだろう。当社は2023年に創業30年となる。50年まで私が生きてるか分からないが信頼と誠実をモットーにやっていきたいと思う。お客様から信頼され続けることしかない、経営はテクニックでも知識でもない、誠実に仕事をしていくことが一番大切なこと、それが信用に繋がると私は思う。武漢肺炎でしぼんだ経済をどう復活させるか、過去の大戦を生き延びた企業から学ぶことは多いと思う。経営の師匠から学んだこと、ピンチの時こそ最大のビジネスチャンスだと。