テーマ:宇宙(907)
カテゴリ:データ分析
先日、地球をかすめて飛び去った小惑星「2019 OK」は、これまでに観測された、0.2LD以下の距離まで地球に接近した80個のNEO(Near Earth Object)の中で、最大のものだったようです。
ただし、7月29日時点のNASAのデータ(過去に0.05au以下の距離まで接近したNEO:n=13,113)の中では、「2019 OK」は3,231番目の大きさです。 7月29日にNASAのサイトから、NEOのデータ(13,119件:内6件が大きさのデータが欠損)をダウンロードして、Excelで下処理してからPower BIで分析しています。 下のグラフは、過去に「0.5LD(地球と月の平均距離の半分)」以下まで接近したNEO(n=244)について、横軸をLD(距離)、縦軸を推定サイズ(推定の下限値)とし、円の大きさが推定サイズを反映するようにして示したものです。 ほとんどのNEOが20mよりも小さいですが、この中で、「2019 OK」は3番目の大きさになっています。 ▼0.5LD以下まで接近したNEO(n=244) 下記は、NEOの地球との接近距離(LD)ごとに、最もサイズの大きかったNEOと、「2019 OK」の大きさの順位を見た結果です。 ☆有効データ:「13,113件」での順位です。1900年からのデータで、期間が長いので、同じ小惑星が複数回記録されていたりもします。 全データ中で最も大きかったのは、4000m(4km)のNEOで、2017年に18.38LDまで接近しました。なお、今回、「過去に0.05au以下の距離まで接近した」という条件で、NASAからダウンロードしたNEOのデータでの最大距離は19.46LDになっています。 【全データ:19.46LD以下】(n=13,113) 「3122 Florence (1981 ET3)」:(サイズ:4,000m、接近距離:18.38LD):「2019 OK」は3,231位 ※2017年 【10LD以下】(n=6,127) 「4179 Toutatis (1989 AC)」:(2,300m、9.4LD):「2019 OK」は865位 ※1992年 「4179 Toutatis (1989 AC)」:(2,300m、4.03LD):「2019 OK」は218位 ※2004年 【 1LD以下】(n=520) 「458732 (2011 MD5)」:( 700m、0.91LD):「2019 OK」は14位 ※1918年 【0.5LD以下】(n=244) 「2017 VW13」:( 190m、0.45LD):「2019 OK」は3位 ※2001年 【0.2LD以下】(n=80) 「2019 OK」:( 59m、0.19LD):「2019 OK」が1位 ※2019年 ※NASAのデータでは、「59m~130m」の推計値となっています。 ▼2019年はすでに546件のNEOのデータが記録されていますが、最近のデータ件数が多いのは、観測体制の整備や観測精度が高まってきていることを反映しているのだと考えられます。 地球への隕石の落下自体は、それほど珍しいことではないようですが、隕石落下の背景には地球周辺に多くの物体が飛び交っているということがあり、それらの物体が観測精度の高まりによって見えるようになってきているようです。 ☆関連記事 ▼小惑星「2019 OK」は、過去3年間に0.2LD以下まで地球に接近したNEOの中でも最大でした:NASAのNEOデータをPower BIで分析してみました ▼【グラフを追加しました】:小惑星「2019 OK」はOKでしたが・・・:7月25日に地球とニアミスした、今年最大の小惑星の名前です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.11.13 12:10:20
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