テーマ:医療・健康ニュース(3997)
カテゴリ:データ分析
新型コロナウイルスの感染スピードや規模をわかりやすくするために、新型コロナウイルスの感染状況のデータと、2003年のSARSのデータを合わせてグラフにしてみました。
それぞれ、最初とされる症例からの経過日数を反映させたデータに変更しました。急速な拡大が始まるまでの期間を反映するようになっています。 COVID-19の助走期間が非常に短かったこと、SARSの感染拡大のスピードが非常に遅かったことなどがわかります。 ↓感染者総数(累積値)の推移です ↓死亡者総数(累積値)の推移です 死亡者の増加ペースは、2003年のSARSの場合と比べると、かなりペースが速いようです。 SARSの場合は、WHOの日報で最初に死亡者が報告されてから、死亡者数が300人を超えるのに40日ほどかかっていました。2003年3月17日のレポートで「4人死亡」とあり、それから300人を超えたのが、4月28日のレポートで、「321人」となっています。 それに対して、今回の新型コロナウイルスの場合は、最初にレポートに死亡者が記録されてから、約10日で死亡者の数は300人を超えています。 そして、SARSでの死亡者数が「500人」を記録したのが、2003年5月8日のレポートですから、約10日で「300人超え」から「500人超え」までになっていました。 一方、新型コロナウイルスの場合は、300人を超えてから「500人超え」が報告されるまでに4日ほどしか経過していません。 過去のSARSなどとの比較によって評価をするのであれば、死亡者数の増加ペースに注目する必要がありそうです。 なお、グラフの横軸はそれぞれ最初の症例からの経過日数を意味しています。COVIT-19の場合は、最初の症例から45日後がデイリーのレポートデータの始点になっています。 SARSの場合は、最初の症例が2002年11月と言われていますが、デイリーのレポートが始まったのは、2003年3月からです。それだけ、感染速度が緩やかだったということでしょうか。なお、SARSのレポートは週に1回か2回休載のことがありましたが、前日の数字で補完しています。 新型コロナウイルスのデータは、1月22日からのもので、 Johns Hopkins University CSSE のデータです。新型肺炎による死亡者数がSARSを超えたことがニュースになっていますが、新型コロナウイルスの感染拡大状況をSARSと比較することは、あまり意味がないのかもしれません。感染速度、感染規模などがかなり異なっています。 とにかく、SARSとの違いが大き過ぎるので、別の感染症の中にもっと参考になるものがあるのかもしれません。 感染拡大は、まだしばらく続きそうです。グラフを見ていると、長期化する可能性が高いのではないかと思われます。 【仮にインフルエンザの流行拡大パターンが当てはまるとすると・・・】 下の図は、日本のインフルエンザの「2018年-19年シーズン」の週ごとの「定点当たり報告数」の累計のグラフです。 横軸は、「週」で「暦年の第36週」が「シーズンの第1週」になっています。 例えば、「暦年の第1週」時点の累計が44.13ですが、「暦年の第12週」にはグラフが横ばいになる300になっています。報告数が前週よりも少なくなるといったピークアウトは「暦年の第6週」頃でした。「暦年の第6週」には、ピークを過ぎて、「定点当たり報告数」が10を下回るのが「暦年の第8週」です。 日本のインフルエンザの「2018年-19年シーズン」では、流行の拡大が10週間程度でピークアウトしています。 あくまでも、インフルエンザの流行パターンを前提として推測すると、中国での新型コロナウイルスの場合も2月の中旬までには、感染者の増加数が前日よりも大幅に多くなるといった急速な拡大期(折れ線グラフの点と点の間隔が長い時期)は終了するのではないかと思います。 2月10日の時点では、日々の増加数は前日を上回らなくなっているようです。 もし、日々の「増加数」の伸びが止まってきているとすると、3月上旬までにはかなり落ち着いてくるのではないかと思います。もしも、インフルエンザの流行パターンと似ているのであれば、意外と早期に落ち着くのかもしれません。 ただし、検査で確認された数以上の感染者がたくさんいるとすると、確認されている感染者数だけで傾向を判断するのは難しいかもしれません。地域の拡大も懸念されます。ただの踊り場になっているだけで、再び感染者数の増加が加速する可能性もあります。 下の図も日本のインフルエンザの「定点当たり報告数」の推移ですが、累計ではなく、週ごとの報告数です。 治療法の発見、効果的な治療薬やワクチンの開発、簡易検査キットの量産などで早期に終息してほしいと思います。 なお、SARSのデータは、下記のリンクにあった、2003年3月17日から7月11日までのほぼデイリーなWHOのレポートのデータです。 当初は、レポートがなかった日はデータから除いていましたが、アニメーショングラフでの経過日数が正確なものではなくなってしまうので、レポートのない日は前日の値を代入しています。 ↓感染者数などのデータがまとまっています。新しい情報も速く反映されているようです。 ----------------------------------------------------------------- ------------------------------------------------------ 新型コロナウイルス(2019-novel coronavirus)対策もインフルエンザ対策と同じで、手洗い、うがい、マスク着用(咳エチケット)などが対策になるようです。
------------------------------------------------------ ★おすすめの記事 ◆インフルエンザの流行が始まったようです:今年は流行の始まりが早いようです ◆Netflixの4半期決算報告で紹介されている作品は?:決算報告資料は、Netflixの話題作を探す一つの手段です ◆Netflix (NFLX)の第3四半期決算発表で、NFLXの株価上昇:1株利益が予想を上回る:「ストレンジャー・シングス」効果?で有料会員数の増加数は前年同期を上回る ◆How Windows Sonic looks like.:Windows Sonic for Headphonesの音声と2chステレオ音声の比較:7.1.2chテストトーンの比較で明らかになった違い:一目で違いがわかりました ---------------------------------------------------------------------------------------------------------- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.04.13 19:54:45
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