カテゴリ:データ分析
メディアは、ウクライナ情勢一色になってきています。
過去の「独ソ戦」について知ることによって、ロシアの今回の行動の背景をうかがい知ることができるかもしれません。 第二次世界大戦における独ソ戦では、ウクライナ、ベラルーシ、ロシアなど非常に広範囲の地域で、凄惨を極めた戦いが展開されました。独ソ戦でのソ連側の死亡者数は、3000万人にも及ぶのではないかと言われています。キエフ、ハリコフ、クリミア半島などウクライナの各地も激戦地となっていました。それらの地域は、ソ連が大きな犠牲を払って守った地域ということになるでしょう。 ちなみに、映画「ひまわり」のひまわり畑は、ウクライナのものです。 なお、独ソ戦初期のウクライナでは、ドイツに協力し、ソ連に対して抵抗する動きもあり、複雑です※。当時のウクライナにとってはモスクワは敵で、敵の敵のナチス・ドイツに協力した時期があったということのようです。ソ連(ロシア)の支配を受けるのは嫌だ、独立国家になりたい、というのが願いであるという点は現在と同じです。 プーチン大統領が「ナチ」と言っているのはそういった過去も関係している可能性があります。まあ、ウクライナはソ連に支配されている状況は嫌だった、ということでしょう。大国に挟まれて翻弄されてきた歴史があります。 ※『独ソ戦期ドイツ占領体制とウクライナ』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/roshiashikenkyu/82/0/82_KJ00004936593/_pdf/-char/ja プーチン大統領は、ロシアが嫌なウクライナ人はウクライナから出て行ってもらいたい、と考えているのかもしれません。さもなければ、・・・。 過去の「独ソ戦」とはどのようなものだったのかを知ることで、何故、ウクライナがロシアにとって重要なのかを理解できるかもしれません。 大きな犠牲を伴った独ソ戦の勝利によって、ポーランドやハンガリー、チェコといった東欧諸国をナチス・ドイツから解放して、ソ連の勢力下にしていたのに、ソ連崩壊後、気づいたら東方諸国がNATOに加盟してしまっているという事態にロシアはご立腹でしょう。 でも、そもそも東欧諸国はナチス・ドイツから解放されたのはいいけれど、新たにスターリンのソ連に支配されるという悪夢のような状況になっていたということなのでしょう。 西側の経済圏に属したほうが、経済的利益も得られるわけで、東欧諸国がロシアから離れるのも当然でしょう。ロシアもEUやNATOに加盟すればこんな問題は起きないのにと思うのですが、ロシアの「イデオロギー」か何かがそうはさせない、ということでしょうか。 ロシアとしては、ウクライナを経済力などでつなぎとめることができないので、結局は軍事力に頼るしかないということになるのでしょう。 もともと、ナポレオンの侵略、ドイツの侵略など、ロシア国内では「西欧との関係では、ロシアは被害者だ」という意識が常に強いのではないかと思われます。 日本との関係でも「シベリア出兵」ということがありました。でも、不可侵条約を破って日本に宣戦布告したスターリンのソ連は日本人捕虜をシベリアで強制労働させたりしていて、非人道的なことをしてきた加害者の過去もあります。 いずれにしても、フランスやドイツから「侵略戦争は即時やめろ」と言われても、ロシアにとっては、「お前が言うのか?」といった受け止め方なのかもしれません。 「21世紀にこんな戦争が起きるなんて」とか言っている人もいますが、ロシアの指導層のメンタリティは「20世紀」のものだったということなのでしょう。 米国やドイツはウクライナに武器を供与するようです。スティンガーやジャベリンが大量にあれば、ロシアの機甲師団に対して善戦できそうです。ウクライナは各種兵器の実験場になるということでしょう。戦闘が長引かなければいいのですが。
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Last updated
2022.03.17 09:02:58
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