カテゴリ:データ分析
ゼレンスキー大統領が、米国議会での演説で「真珠湾攻撃」について言及しています。まあ、民間人の被害も大きかったと言われる「重慶爆撃」を引き合いに出したほうがよかったでしょう。
日本がヘルメットや防弾チョッキなどを贈っても感謝されていないことが証明されたのではないかと思います。真珠湾攻撃で活躍したゼロ戦や九七式艦上攻撃機を復刻して寄贈すると喜ばれるでしょうか。 真珠湾攻撃はよく「奇襲攻撃」だと言われますが、ロシアの侵攻は、奇襲ではありません。とにかく、大軍を国境付近に展開していたのですから、ロシア軍の存在はわかっていたことです。真珠湾攻撃との共通性などありません。 ロシアの攻撃は、「真珠湾攻撃」のように「卑劣で、非人道的」だと言いたかったようです。欧米人の「真珠湾攻撃」についての認識を証明する事例ということになるでしょう。 しかし、真珠湾攻撃が起きた背景からすると、「卑怯な攻撃」といった意味にとどまりません。真珠湾攻撃の意味は多様です。 「ニイタカヤマノボレ 一二〇八(新高山登レ一二〇八)」という暗号電文で開始された真珠湾攻撃によって、日本が勝ち目のない日米開戦に踏み切ったのは、日本の満州占領などに対する米国の経済制裁、特に鉄鋼や原油の禁輸などで日本が追い詰められたからです。 でも、暗号電文とはいえ、「一二〇八」」とか、12月8日がその日であることが容易にわかるようになっています。米軍は暗号を解読していたが、日本に奇襲攻撃をさせて、米国内の世論を世界大戦への参戦の方向に向けるために利用したとも言われています。 現在、ロシアは、欧米諸国を中心とした経済制裁を受けています。追い詰めすぎると、「卑劣な攻撃」に拍車をかけることになるのではないでしょうか。「ハル・ノート」ならぬ「バイデン・ノート」でロシアをさらに暴走させる可能性はあるかもしれません。 欧米諸国、特に英国や米国はロシアへの経済制裁に積極的ですが、ロシアによるNATOへの「真珠湾攻撃」を導こうとしているのでしょうか。 なお、率直に言って、「真珠湾攻撃」は「日本人は卑怯だ」という意味になるので、ロシアに対して経済制裁をしていて、ウクライナを支援している日本への配慮など微塵もない点は残念です。米国議会を煽るためとはいえ、非常識です。日本がロシア側についているのであれば話は別でしょうが。 「真珠湾攻撃」のような昔のこと、別にいいのではないか、という向きもありますが、「日本人は卑怯で、非人道的だ」と同義であることは認識しておいたほうがいいと思います。 もし、日本の国会で演説する場合は、米国議会での演説と同じく、「真珠湾攻撃」について言及してもらいたいと思います。よく、面と向かって言えないような陰口はよくない、ということがありますが、それと同じではないかと思います。太平洋戦争は戦犯の戦争指導者による戦争で、一般市民は被害者だったといった文脈で「真珠湾攻撃」を持ち出せば大丈夫でしょうか。 日本の国会も「ゼレンスキー大統領の演説をするかしないか」の論議している場合ではなく、資源高・食料高・ロシアのデフォルトなど、日本が受ける影響について論議するのが先ではないかと思います。 欧米追随で前のめりな経済制裁への報復についても備えはあるのでしょうか。日本の資源や食料に関する安全保障計画はどのようなものなのでしょうか。報復への備え無しの制裁はやめてもらいたいものです。 ゼレンスキー大統領を称賛する声が大きいようですが、「徹底抗戦」で犠牲になるのは、ウクライナの兵士や庶民とロシアの末端の兵士です。戦争での問題解決は犠牲が大きいので、何とかならないものでしょうか。 ワイドショーのコメンテーターなんかが、「自由」「民主主義」を守るためには戦わないとならない、とか言っていますが、巻き込まれて犠牲になった人にとっては自由も民主主義もありません。長期的にロシアの政権交代などを待つ選択肢だってあるでしょうに。「臥薪嘗胆」とかいう言葉もあります。 ロシアの隣国である日本も他人事ではありませんが、スイスのように国民皆兵とかがいいのかもしれません。日本がロシアに威嚇の攻撃をされてもG7がすぐに助けてなどくれません。「第三次世界大戦を防ぐ」という理由で、日本も見捨てられるでしょう。むしろ、欧米諸国はロシアが日本を攻撃し、ロシアの戦力が分散し、戦力が欧州に向かわないことを望んでいるのかもしれません。 それにしても、ヒロシマ・ナガサキも戦争犯罪ではない、というのですから、戦争は勝てば官軍ですね。欧米諸国で、非軍事施設への攻撃は戦争犯罪だ、とする向きもあるようですが、どの口が言っているのでしょうか。よくそんなことが言えるものです。 ( お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.03.25 06:09:01
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