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テーマ:試写会で観た映画の感想(679)
カテゴリ:映画
2000年5月、愛知県豊川市で実際に起きた、高校生による老婆殺人事件。
それを映画にしようとする都内の大学の「映像ワークショップ」の学生たち。 彼らがその高校生の心理状態をどう解釈するかでぶつかりあう姿、 ワークショップ内での人間模様、恋愛感情をリアルな描写で描いていく。 「人殺しを経験してみたかった。人を殺したらどうなるか実験してみたかった」というこの事件の犯人は、カミュの『異邦人』で「太陽がまぶしかったから」という理由で殺人を犯した主人公ムルソーを彷彿させる、らしい。 私は『異邦人』を読んでいないので…。 監督は柳町光男 出演、柏原収史、吉川ひなの、前田愛、中泉英夫、黒木メイサ、田口トモロヲ、玉山鉄二、安部進之介、本田博太郎 他 一番の見どころは、やはり殺人現場の撮影シーン。 高校生役の中泉英夫の演技はすばらしかった。 狂気の中に冷静さが入り混じる、複雑な表情がとても恐怖だった。 この映画の中で、彼は2つの役、大学生の池田、映画の中の高校生を演じている訳だが、その演じ分けも見事だった。 この作品には、随所に名作映画のモチーフが織り込まれている。 それを観ていない私には、ちょっと難解な映画であった。 観にいくなら 『アデルの恋の物語』『ベニスに死す』そして小説『異邦人』を 予習していくことをオススメする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年12月17日 03時17分59秒
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