夜のもの思い
珍しく夜にコンビニに行きました。明日の朝の食パンが切れていることに気づいたからです。コンビニの入り口へ向かって歩いていくと、私より少し先に大きな体格をした男性が入って行きました。作業服を着ていて、日焼けした顔の大男。夜ということもあり、私はとっさに「この人はコンビニ強盗なんかじゃないわよね・・・」と考えました。これは私のクセのようなもの。怖がりの性格なので、いつでもそんなことを思うのです。まあ、まさか。と思い直し、入り口のドアのところまでくると、先に店へ入っていった大男は私が店に入るまでドアを開けたままにしてくれていました。強盗どころか・・・今どき珍しい善人ではありませんか。そういうちょっとした親切を出し惜しみしないで他人に振りまけられる人、とても素敵な人だなぁ、って思いました。(さっきまで強盗かと疑っていたくせに・・・ですが・・・)食パンを買い、店の外へ出ると、若い男女がベンチに座っておしゃべりしていました。二人とも同じ色の作業服を着ていたので、同じ職場同士なのでしょう。座っている距離が少し離れていたので、そんなに親密な間柄ではないことがわかりましたが、とても楽しそうに話しているので、何となく気になりました。とてもうらやましくて(笑)若いっていいわねぇ・・・なんて思いながら車に乗りました。私にもそんな時代があったなぁ・・・って。そんなふうにいい思い出を時々味わうのもいいですね。引き出しの奥にしまってあるジュエリーを時々眺めるみたいに。毎日の生活が現実以外の何モノでもなくなったとき、そういうキラキラした思い出が大きな意味を持ってくるのかなぁ、って思いました。そんな時代もあったのよね、なんて、ちょっと微笑んだりできるから。きっと今の現実生活でも、何年もあとから振り返ると、キラキラした思い出がたくさん心に残ることでしょうけど。珍しく夜にコンビニなんかに行ったからでしょうか。ちょっとしみじみとモノ想いにふけってしまいました。