カテゴリ:美術館・博物館の話
東京国立博物館 12月4日(日)まで 「法然と親鸞 ゆかりの名宝」 HPこちら 初めに言っておきますと・・・、 仏像の展示を楽しみにして行かれると、がっかりします(^^;)。 膨大な展示品の中で仏像はごくわずか。 そのうち、 ◎浄土宗所蔵 阿弥陀如来立像 ◎浄光明寺所蔵 阿弥陀三尊坐像 は拝む価値ありますが、正直、あとは・・・(^^;;)。 仏像だけが目当てという方にはお勧めしかねる展覧会です。。。 では、どんな方にお勧めかというと: 1、高僧・祖師像大好き 2、聖徳太子大好き 3、仏画大好き 4、絵巻物大好き 5、法然・親鸞大好き のどれかに当てはまるなら、どっさりと並ぶ展示の前に、目がハートになることでしょう♪ とくに1、は、ちょっと今までないくらい沢山拝めますよ。 お坊さんの像を(^皿^)。 ぐりぐりは3、と4、のところで目がハートになっておりましたが・・。v(^^)v 全体に、法然さまと親鸞さまの業績をたどる大回顧展のような趣で、「美術展」というより「歴史展」「資料展」という方がしっくりきます。 開祖お二人と、二つの宗派についての説明書きがあちこちにあって、初心者の自分でもざっくりと伝記を知ることができました。 お二人の伝記を絵巻物にした「絵伝」。これが模本なのか異本なのか、何種類もあり、見ても見ても終わらない勢いで延々繰り延べられております。 法然上人・・・丸顔 親鸞聖人・・・とがった顔に、逆八の字眉毛 が特徴らしいです。 直筆の書もあり、こちらも特徴が出ています。 法然上人・・・丸い字 親鸞聖人・・・鋭角な字、はねが真上に向かってる 字は顔を表すのかしら!? 仏像ですが、阿弥陀如来立像(浄土宗)は1mくらい、切れ長の涼しげな目が印象的です。 僧衣をかけた右腕を、衣のずっと奥、ひじが見えるくらいまできっちり彫ってあるのが気合あるなと感じました(この説明、分かります?)。 法然上人一周忌に造られ、像内からは4万人くらいの署名が入った紙が出てきたそうです。 浄光明寺の阿弥陀三尊、大きかったです! お寺でも拝観したことがあるけど、こんなに大きかったっけ!? 博物館のが巨大化したみたいな・・・!? 本尊の衣の模様は、花や草の形に型抜きした土を貼り付けてあります。よく運んできて無事でしたね~。 両脇侍は宋風ばりばりです。とがった爪先、複雑極まりない高髻。自分が知る限り、一番ややこしい髻の仏様でありましょう。 今回一番楽しみにしていた、来迎図や山越阿弥陀図は、会場のラストにありました。 知恩院の来迎図、かっこいいです。 「早来迎」と呼ばれるだけに、阿弥陀様御一行が急降下で降りてきて、極楽へ行こうとする人を大急ぎで迎えに来てくれているところ。 どれが観音菩薩+勢至菩薩か分からないくらい、大勢のキラキラした菩薩団体が押し寄せてきて、出来る限り豪華にしたバージョンで来迎にいらしたもようです。 魂が乗る蓮台も、ビーズがじゃらじゃら垂らしてあるし。 金戒光明寺の山越阿弥陀図も良かったです! 山越阿弥陀だと禅林寺のが有名ですが、それは後期展示で、前期はこちらでした。 初めて見ましたが、保存が良く、線も色もよく出てきれいでした。 手前の山がなだらかで低めなのが、落ち着いた田園風景を思わせて心和みます。 昔の貴族は、臨終の際に、枕元にこの屏風を立てて、阿弥陀さまの指から出る五色の糸を手に持って、来迎を待ったのですね。 最後に。「悪人正機説」の「悪人」とは、犯罪をおかす人のことじゃなくて、仏教の戒律を守れない人のことだったんですねぇ。知らなかった。 てことは、私も悪人、世の中の大体の人が悪人、ってことでしょうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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