カテゴリ:恋愛都市
ある映画撮影所のそばの、そのマンションで、貴之は再び、ひとりくらしを始めた。 東京を離れて、いつも身の回りの世話をしてくれる人々がいたが、彼は一人で、その3部屋あるマンションに、蟄居した。 干渉されないことの自由は、孤独でしかなかった。 打ち合わせに時折、関係者があらわれるだけで、彼の時間は、おだやかに過ぎていく。 あめあがりのベランダで、京の夕日を見る。 調査の必要な技術情報は山積していたが、彼は和室の寝室で、夕方まで眠り込んでいた。 「どうしてぼくはここにいるんだろう」 東京にいると夕暮れには、六本木にむかう習慣だったが、この西京の静かな住宅地にはそんな邪念は微塵もなく、寝起きのシャワーのあとは、なにかしら調べごとをしていた。 広い部屋で、いったりきたり、している。 そんな日々が、過ぎていく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 16, 2006 09:14:59 PM
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