カテゴリ:女優系
AUSロケから帰ってきた君は モデルとして最低に、健康的な肌を、赤くして、 僕のところに帰ってきた。 OFFICEの打ち合わせロビーの硝子の向こう側に、 君が手を振って、 はちきれた笑顔で、 僕に気がついた、あの日。 僕達は二箇月の空白を埋めるために、体で言葉を交わした、 朝がきても、昼がきても、夜がきても、、、 そして君を始めて見た日のことを思い出した。 そのこの世のものとは思えないほどの美しい女は、 海岸道り沿いのコンビニのレジに、 グレープフルーツを持って、たっていた。 レジを済ませ、店を出た。 彼女が立っていた。 傍にユーノスのオープンが止まっている。 運転席を見たがだれも乗っていない。 彼女の車なのかとおもいながら、彼女の長身に驚いた。 あ 地下鉄の青山一丁目の車内で髪のゴムバンドを わざと祐介の前に落とした女だ。 なぜここに、 午前二時のコンビニでモスグリーンのオープンで ピンクグレープフルーツを買っているのだ。 微笑んで髪ゴムを彼女にさし出したときと同じように、 あいまいに微笑みながら、 コンビ二の袋をゆらゆらさせながら倉庫街の暗闇に消えた。 彼女の職業はモデル。話はいまいち。 だいぶ返しがよくなってきた。自称20歳。 大手モデルプロダクションのレッスンから逃亡、 東京の夜を楽しんでいる。 「愛してるのよ」 「ぼくもさ」 「会いたいのよ」 「ぼくもさ、シャワー貸してよ」 「なにいってるの」 会うことができない人を忘れようとして、彼女は喘いでいた。そんなある日彼に出会った。二度と恋に落ちることはないと思っていた。なにげなく二人は愛していると、あなたしか縋るよすががないと、口にしていた。 彼女は18歳からのたった2年の芸能生活で疲れ果てていた。上京して彼のような人間に初めて出会った。彼は彼女の体を求めない。不思議だった。不思議な人だった。 バイトで銀座のクラブに行くか相談受ける。 本業で食えと嫌われるようなことを言う。 時間はないのに。 それは美の専門家で、彼女の化粧を落とした顔を、 拝んだことはない。 あなたはそうしてわたしをわすれる 電話もなくメールもなく、わたしの孤独や悲しみを 置き去りにして、わたしをわすれる あなたのゆめをみてた、ほほえんだあなたにあった あのころのようなおだやかに時間にゆめをみてた ゆめがさめた ゆめがそこにあった ゆめが現実だった ゆめをみてた ゆめを現実にした そして君は感動をわすれた。 すべての幸福は不幸になる兆しだったから。 君は苦痛に怯える。 苦痛を回避するために、感受性を壊していった。 険しい表情と寂しげな瞳が忘れられない。 なにも感じなくなった毎日は、愛のない毎日。 だれも君を責めたりしない。 愛は見返りを求めたりしない 君を苦しめるすべてから、 人生ってすばらしいと言える日まで、いくしかないよ。 「君の人生のすべてのキスはそのキスには及ばないだろう」 ある映画のANSONYの台詞 必ずしも貞女じゃないと同時に、必ずしもまた婬婦でもないのです。 慶応大学沿いに日向坂を登り、オーストラリア大使館へビザを申請した2週間後。二人はシドニー郊外に借りたパームビーチの別荘にいた。彼女と2ヶ月のバケーションをここで過ごす。 夕方、西側のなだらかな坂を、ビーチに下りていく。ストリートにあるFISH&CHIPの揚げシュリンプをほおばりながら、海岸線をビーチへ向かう。ヨットが帆を休めている。静かな夕暮れを二人並んで見ていた。 「わたしのこと綺麗に書いてね」 「うん」 彼女は私を信頼してくれている。私は彼女を愛している。地震が起きたら私は彼女を探しに行くだろう。彼女は最後の瞬間に会いたい人かもしれない。彼女は私の人生で4番目の女性だった。だから大切にする方法が、彼女を傷つけないで愛し合う方法が明確だった。二人には無駄に過ごす時間はなかったし、彼女は彼に珍しく敬意を払ってくれるほぼ唯一の女性だった。彼女は美しく、優しかった。私を抱きしめて、怖いものが通りすぎるのを一緒に待ってくれた。彼女に抱きしめられている時間は永遠だった。彼女の腕の中で感じる安らぎは、いまだかつて感じたことのない安らぎだった。そんなふうに愛し合っていた。 「あなたにあえるならどこへでもいくわ」 「あなたの悲しみはわたしの悲しみなの」 「あなたを愛しているの、信じてくれなくていいの」 「あなたはこの愛が壊れるのを知っている」 「情熱は冷めてしまう」 「将来のCOMMITがほしいだけなの、私のどうしようもない人生をあなたに何とかしてほしいの。もう私の夢はかなわないことわかってしまったから、あなたの力で残りの人生を楽しく過ごさせてちょうだい。私を愛しているなら女王様にして、私の大切なプリンス、愛しているの、あなたをだれにも渡したくないの」 彼女の台詞はすてきなダサさに満ちていた。 雨が降っている。エアコンをドライにした。携帯を見るとウザイ男たちのメールが入っている。頭が痛い。今日は何曜日か思い出せない。台所でウオッカ入りのオレンジを飲んで、マルボロに火をつけた。 ベランダに出て15階から道路を眺めた、ストーカーの車が止まっている。シルバーの変体歯医者のベンツがとまっている。捨てた男たちは腑抜けになった。彼女は部屋の鍵を男に渡すことを止めた。なおかつ同時に複数の男と交際することをポリシーにし、理由をつくりピルを手に入れた。だれの子供かわからないことは避けたかった。彼女はすべてのモラルを受け入れないことにした。 あの男がすべてわるいのだ。 床にドンペリの空き瓶が転がっている。BEDROOMにだれか来たらしい。 シルクのキャミに指先をいれて昨夜の感じを確かめた。なにのなかったようだ。 最近記憶が飛ぶ、飲酒だけでなく飛ぶ、忘れたいことが多すぎて彼女の脳は記憶の削除が適切にできなくなっている。やがて自分をわすれてしまうのか、もはやそうなのか。 いずれにしろあの男のせいだ。 着信があった、PM3:00 メールも電話も出ない時間に、彼女は彼を忘れる準備をしていた。着信はその失敗を意味していた。 「お土産かってきたの」 「連休は実家にいたの」 「うん」 「私は東京にずっといたよ」 「そう」 彼女は実家から帰るときに、彼へのお土産を買った。空港の売店で迷う彼女の手つきを思い浮かべた。 「ごめんね」 「なにが」 「連絡しなかったこと」 しばらくして彼は答えた。 「私を失うことは、損失でしょ」 「すごい自信ね」 「うん、でも君をうしなうことは、もっと損失だよ」 「でしょ」 「すごい自信だね」 「で、あの夜彼女を抱いたの」 「いい質問だね」 「そう」 「肯定しても。否定しても、信じられるでしょ」 「かも」 「バレンタインで君以外のチョコ受け取ってないって話はほんとうだったんだよ」 4ヶ月が過ぎている。 遅すぎた関係は、萎えた気分の媚薬になるのか? 「彼女はきみのためにならないよ」 「なぜそう思うんだ」 「きみが苦しいからさ」 「恋しいからくるしいのさ、彼女が性を売り物にしているからなおさら、不憫でならない」 「彼女はやめられないさ、きみを愛していたとしてもね。ヒロイズムだよ、それが彼女のカルトだと気がつくべきだよ」 「彼女の目的は何」 「お前のような中年男が揺れているのがおもしろいだけさ。お前は世紀の恋に酔って、うつつをぬかしてるだけさ」 「彼女を切るよ」 彼はそう自分に言い聞かせるように言った。 彼のなかで彼女が不安定な状態になっている。彼女が彼を意図的にそうしているに過ぎないのに気がつき始めている様子だった。彼女は彼をその気にさせたまま彼を都合のいい状態で放置した。彼はお預けを食らったままで。 別れ間際、彼は彼女を抱きしめようとした。彼女はやさしく彼の胸を押して、突き放した。彼の心は、はてしない孤独の宇宙に跳んだ。彼女が小さく見えた。もう終わりにしようと、提案されているのを感じた。始めての拒絶だった。たじろいで、優子をみた。彼は優子を抱きしめて、キスをした。彼女に捨てられて、切られて、1.5秒後には新しい唇に古い唇を重ねる。彼はガールフレンドとキスをする。彼のキスの意味を彼女は理解しかねた。 夕方から雨になった。壊れた傘を持って彼は歩いている。やがて夕闇が来て、あたりはガスに煙った。 彼女は電話に出なかった。いっそのこと着信拒否にして欲しかった。メールアドレスを、変えて欲しかった。 彼女は彼の伝言の動揺していないのにたじろぎ、彼のメールの単純に心配している無邪気さに打たれた。 「惚れたほうが、負けよ」 どこかで聞いたような口を利いて、粋がっていた。 「男はかっこつけてなんぼなのよ」 「あなたに愛されてる私が好きなの。やっと自分が好きになれそうなの」 彼女は刺激的だった。 私の乾いている心は濡れた。 He said i dont care< 長いメール 私は誠実に真心に対応する人が、不誠実に対しては寛大に不誠実であることの、不可思議さを考えています。 誠実とは普遍で、相手の目的に変化させられるものではないと、考えたいです。 一つの幸福は、それを祝福する人にだけ、大きな幸福をもたらします。一つの幸福が、他の人を不幸にするとしたら、それは利害であり、人生をビジネスとみなす人々にはあるいは小さなささやかな幸せも、目障りになるかもしれません。 あなたは、映画や文学に造詣の深い女性だから、一つの言葉の持つ意味、概念、そして、伝わるべき心が、理解できると考えています。 改めて言うまでもありませんが、私たちはそれぞれに人々の支えや、あるいは時には不誠実に否応なく囲まれています。いずれにしても、問題は私の不誠実にあるのは、確かかもしれません。あるいは私の不誠実な誠実を理解できない方もいらっしゃるかもしれません。 「あなたを信頼している」 「裏切るよ」 「信頼は私の中にあるもので、あなたの振る舞いは関与できない」 「意味不明」 「いずれあなたは自分の人生を修正せざるを得なくなる。それを私は待つことができないかもしれないが、いずれにしろあなたは信頼にこたえるような人生を送るようになる。そこに多分私はいないが」 「信頼された経験のない私があなたに信頼されて信頼に目覚めるってことなの?」 「そんなにややこしいことではないよ、あなたはあなたの価値観であなたの心や体やメリットの利益至上主義だけど、本当は寂しい心を癒そうとして、梱らせているのがその価値観だと気がつくだけだよ。すべて手遅れにならないように祈ってるよ」 かわらないもの それは あなたの たいせつな思い出 だから きょうも僕達は 思い出をつくろう だれかにめぐりあうまで だれかと そういったまいちにが はじまるまで 僕はできるならあの女にもう一度あいたいと感じていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 23, 2006 09:56:53 AM
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