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テーマ:動物好きさん集まれ~(971)
カテゴリ:ペット・野生動物
左の写真の鳥がこの本の主人公のブッポウソウです。昼間にこの色鮮かな鳥が〔ゲッゲッゲッ〕,〔ゲゲゲゲッ〕と鳴くのが人々に見られており,この鳥が棲んでいる場所では夜になると〔ブッポウソウ〕という鳥の鳴き声が聞こえてきました。この鳥が棲む森の夜は真っ暗なので,鳴き声は聞こえても姿が見えないため,この鳥が夜になると〔ブッポウソウ〕と鳴くと信じられてきました。
ところが1935年(昭和10年)に,夜に〔ブッポウソウ〕と鳴く鳥の正体が判明しました。 山梨県在住の男性が〔ブッポウソウ〕の鳴き主の正体を突き止めるために何年も行動していたのですが,なかなかうまくいきませんでした。彼は色の綺麗な鳥が夜中に行動するはずはないと考えて,以前から夜に〔ブッポウソウ〕と鳴く鳥は上の写真の鳥ではなく,別の鳥だろうと推察していたのです。そしてついにこの年の6月12日の夜に〔ブッポウソウ〕と鳴く鳥の影に狙いを定めて銃を発射して撃ち落しました。 彼とは別の経緯で同じ1935年(昭和10年)に夜に〔ブッポウソウ〕と鳴く鳥の正体が判明しました。きっかけはこの年の6月7日と8日にNHKラジオで放送された〔ブッポウソウ〕の鳴き声でした。ある男性が飼っていた鳥がNHKラジオの〔ブッポウソウ〕に合わせて,〔ブップソウ〕と鳴いたのです。この鳥を鳥類学者が借り受けて学者の自宅で飼っていたところ6月12日の早朝にこの鳥が〔ブッポウソウ〕と鳴きました。 この二つの事例が日本鳥学会で発表され,〔ブッポウソウ〕と鳴く鳥がフクロウの仲間のコノハズクであることが判明しました。コノハズクは「姿のブッポウソウ」と区別して,「声のブッポウソウ」とも呼ばれるようになりました。 「仏法僧」は平安時代から知られていてに「仏法僧」のことが載っているそうです。 江戸時代になるとがあります。『紀伊国名所図会』(1809年/文化6年)の「仏法僧」鳥の特徴はフクロウなどに類似しているそうです。しかし『茅窓漫録』(1833年/天保4年)に書かれている「仏法僧」鳥の特徴が「姿のブッポウソウ」なのだそうです。以来,〔ブッポウソウ〕と鳴く鳥の正体は「姿のブッポウソウ」と思われてきました。 それから100年経った1935年(昭和10年)になってやっと学術的に〔ブッポウソウ〕と鳴く鳥の正体がコノハズクとわかった次第です。平安時代に歌に詠まれてから千年……。長かったですねえ。 ポチッとね♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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