カテゴリ:machiの頭ン中
幼い頃、私は自分の部屋を与えてもらっていました。恵まれてるなぁ~
その部屋に、自分の背より大きい本棚がありました。 中学か高校の頃には解決したけれど、幼い頃は一番上の段に手が届かなかった、大きな本棚。 そんなに大きな本棚だから、もらった頃はガラガラでした。 並べるものがなくて。でも人形やオモチャを並べると親に「本棚は本を並べるところだ」と容赦なく排除されてました。 幼い頃から本屋が好きでした。 「どこに行きたい?」と問われると「本屋」そう答える兄弟でした。 本棚の隙間は、意外と早く埋まっていき、いつしか私の手も本棚の上に届くようになりました(背は追い抜けなかったけど 笑)。 基本的に本棚には「読み終わった本」が並んでいきます。「まだ読んでいない本」は、常に手元かカバンの中、もしくは机の上。本棚に並ぶ暇など無かったからです。我慢できない人なのです 笑 推理小説や少女向け小説も、少なかったけど漫画もありました。時には母から譲り受けた文学全集も並べ、2冊半に及ぶ「レ・ミゼラブル」を何度も読み返しました。 中学の間には、その大きな本棚から本が溢れるようになりました。 兄に倣って、しばらく読まなかった本はダンボールにしまわれました。 本を捨てる。そういう考えは我が家にはありませんでした。 そのうち、兄の本棚は重すぎて棚が曲がってしまいました。 父は2つも大きな本棚を持っていて、いつも仕事の本や難しそうな小説などでいっぱいでした。 私が高校に入る春、兄は大学に行くために家を出ました。 残されたのは大量の本、本、本、本・・・ 父が「兄の残した本で床板が曲がる」と言ったほど。 兄が残していった本を、内緒で読んでいました。私が今まで読んだこともないSF小説。新鮮でした。兄は自分の本や持ち物を私が触るのをとても嫌っていたので、このことは未だに秘密です。 父の本棚に並んでいた小説も読みました。難しいと思っていた・・・その通りでした。山崎豊子という名を知ったのは、父の本棚ででした。 私の本棚にも本は増えていく一方でした。 兄や父には到底叶わなかったけれど。 今、 あの本棚は父の愛情だったのだろうと思うのです。 オモチャや人形、そして漫画を並べるなと言った父。 小さい時から本屋や図書館に頻繁に連れて行ってくれて、自分で本を選ばせてくれた父・母。 思えば、私の本棚にあったのは「私自身」。私だからこそ選んだ本が並び、その一冊一冊に私だけの想いがあったんだなーと、そう思います。 本には、それこそ子ども時代に手にしたお金の大半を使ったように思います。 本が常に近くにある生活を与えてくれて両親に、今、本当に感謝しています。 結斗にも、もう少し大きくなったら本棚を与えたいと思っています。 問題は、置き場がない事ですが(汗) 彼の本棚にはどんな本が並ぶのでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 31, 2006 12:02:15 AM
[machiの頭ン中] カテゴリの最新記事
|
|