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テーマ:イタリアワイン大好き!(738)
カテゴリ:トスカーナ
トスカーナのDOC、生産者は、レ・ポタッツィーネ。
ロッソ・ディ・モンタルチーノは大雑把に捉えると、2つに分類できる。ひとつは、その造り手のブルネッロをイメージしつつ、やや小振りに仕上げたもの。もう一つは、ブルネッロとは全く別の世界観をもったワインに仕上げたものだ。前者はシロ・パチェンティやアゴスティナ・ピエリ、ラ・ジェルラ、フォルナチーナなど、タイプは違うが、各々のブルネッロと同じ方向性を持つロッソを、彼らは造っている。後者は、サルビオーニ、チャッチ・ピッコローミニ・ダラゴーナ、シルヴィオ・ナルディなどだろうか。明らかに、ロッソはロッソとしての完成度を追求している気がする。 ロッソは、ブルネッロのセカンド的に捉えられているが、もちろん大樽を使って瓶詰めの直前まで全て同じ行程で造られるロッソも多いワケだが、意外に後者のタイプも多いのだ。 チャッチのように、もともと畑が違うロッソもある。多くの場合は、たとえば、仕込みの段階で「ブルネッロはバリックに入れるが、ロッソは軽くエレガントに仕上げる目的で大樽で仕込む」とか、逆に「早く飲まれる事を意識してロッソをバリックに入れて、ブルネッロは大樽でゆっくり熟成させる」などの工夫を行っている。近年の流行は後者のようだ。ところで、サルビオーニはロッソのポテンシャルが高過ぎて、結果的にそう感じてしまうのか、それとも、エノロゴの匙加減なのか? 実は、単なる、僕の贔屓目という説もあるけどね。 また、サリクッティは、その年によって、イメージの違うロッソがリリースされる。看板のブルネッロは、明確なカラーを出す必要があるだろうが、ロッソは、その年の葡萄の作柄に合わせて、最良の方法を選んでいるかのようだ。 そして、レ・ポタッツィーネである。ハッキリ言って解らない。なぜなら、ブルネッロを飲んだことが無いからだ(笑)。 飲み始めの印象は「ん、こんなもんか」と、期待の割に、インパクトが小さかったが、この「こんなもの」的な軽快さが「スイスイ」と飲ませてくれる。あまりモンタルチーノらしくない柔らかさ。そして、時間と共に、だんだんとその中心に、しっかりとした「芯」のようなものが見えてくる。「あ、これはモンタルチーノだ」それにしても、相変わらず「スイスイ」と飲めてしまう。飲みたい気持ちをぐっとがまんして、2日目に1/4くらい残して置いた。 残しておいて良かった~という気持ちが、やがて後悔に変わる。「もっと残して置けば良かった~」これは旨い。いままで感じられなかった「厚みや奥行き」が、液体の濃さではなく旨みの濃さがぶぁ~と広がった感じだ。そして、初日の軽快さや柔らかさも健在。とてもバランスが良い。 そこで、思ったのだ。ブルネッロはどんなに美味しいのだろう。ただし、この程度の「厚みや奥行き」ではブルネッロとしては、やや物足りない気がするが、この軽快さや、柔らかさは、捨てがたい魅力だ。両者は、ある意味、相容れない要素であり、そう考えると、この造り手のブルネッロは、あまりイメージ出来ない事になる。 はたして、レ・ポタッツィーネのブルネッロはどんなワインか? 1999年がセラーに1本あるけど...飲むのはまだ先にのばしたい。それまでは、想像して、楽しむことにしましょう。 Rosso di Montalcino / Le Ptazzine お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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