|
テーマ:イタリアワイン大好き!(738)
カテゴリ:ピエモンテ
ピエモンテのDOC、生産者はバルトロ・マスカレッロ。伝統的バローロの代表みたいにも言われますが、彼やジャコモ・コンテルノなどが自家元詰めを始めた頃は、彼らこそが、バローロの将来を担う革新派だったわけで、バリックだの大樽だの自然派だのというのは、学校で習う歴史の試験に出るような「表層を舐めただけの戯言」に過ぎず、マザッチョやマンテーニャが輝きを失わないように、ある閉塞状況をうち破るような確信を持った「本物」達は、時代やルールや趣向を越えて、圧倒的な存在感で「そこにある」のだなぁと、いまさらながら感じるのであります。
バルトロさんはは、2005年に他界しましたが、生前より蔵をとりしきっていた娘さんのマリア・テレーザさんが、ワイン造りを引き継いでいます。この人は、お父さん譲りの(お父さん以上という人もいます)確信犯で、マスカレッロのワインは、今後も「そこにありつづける」であろうと思われます。 2003年は、暑さの影響で、酸味の乏しい、灼けたような果実味を持ったワインも少なくない状況で、幸運な事に、僕の今まで飲んだ生産者の印象は「まんざら悪くない」です。このバルベーラ、抜栓直後は「ん?」と思うような、チェリーやベリー系の生々しい甘酸っぱさが香りを支配し、飲んでも、チャーミングな、優しい味わいで、アタックから終息までが「あっ」と終わってしまうようなワインでしたが、呼吸をするたびに、グラスに注ぐたびに、酸が柔らかみを増し、浮ついた果実が影をひそめ、麗しい体躯が姿を現し始めました。 一昨日の抜栓で、昨日はほとんど飲まず、半分ぐらいボトルに残した液体を今夜楽しみました。やはり彼は「そこにいました」...。 バローロも飲みたいのですが、90年代はまだ早すぎる気がするし、80年代はもったいなくて開けられないです(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ピエモンテ] カテゴリの最新記事
|
|