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カテゴリ:トンデモ
このブログのミラーサイトに、9.11の一連のテロや大きな地震を引き起こす強大な組織の存在を肯定する発言がありました。これは陰謀論と呼ばれ、ユダヤ系資本を中心とした組織が、米軍や米国首脳をはじめ、世界の有力な政治家や科学者までも巻き込んで、自己の利益のために多くの犠牲者をものともしないで様々な悪事を働いているとされています。
今回の東日本大震災についても、地震兵器による攻撃だとの主張があちこちのサイトで為されており、信じている人も一定数居るようです。今回のような大災害の時に、このような馬鹿げた言説をまき散らすことは極めて不謹慎だと思います。これが陰謀論に対する、私のスタンスです。 そもそも地震兵器などと言うものは荒唐無稽で、実際に大規模な地震を、それと気づかれずに引き起こすことなど不可能でしょう。もちろん人工的に地震を起こすことは可能で、地質調査などに使われています。でも、今回の大災害を引き起こすような地震を誘発するためには核を使うほか無いでしょう。もちろんそんなことをすればすぐに分かります。地震波は詳細に分析されていますから。 ネット上には“HAARP”が地震兵器として取りざたされていますが、これは全くのオカルトレベルの話でしょう。知った風なことを書いている人は居ますが、地震兵器としてのメカニズムを具体的に説明しているサイトは見つかりませんでした。 陰謀論が不愉快なのは、人間というものは、命令されればどのような大量殺人も平気で行うものだとの前提があるからです。実際に地震が引き起こせるものだとしても、万の単位の人命を虫けらのように殺すことが簡単にできるものでしょうか。実行部隊を米軍だと見なせば、9.11で殺したのは自国民です。また、地震が兵器で起こされたことを知りながら口をつぐむ日本人科学者が居るとすれば、やはり自国民を殺す手伝いをしたことになります。多くの場合、陰謀組織は極めて多くの仲間が居ることになっており、それだけの人間が大量殺人を是としていることになります。 不愉快な理由はもう一つあります。陰謀論を唱えている人々が、強大で恐ろしいはずの組織を少しも怖がっていないことです。陰謀を暴こうとする本の執筆者、講演やネットで警告する人々、誰ひとりとして恐怖を肌で感じているようには見えません。 彼ら自身が自分は「物語」の外にいる見物人に過ぎないと知っているかのようです。結局はすべてがバーチャルで他人事なんじゃないのかと、私は思っています。 災害で命を落とした人々、生き延びたとしても、飢えと寒さにさいなまれ、当分の間幸せだった日常生活に戻れる見込みのない人々、これらは紛れもなく現実のことなのに。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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