花月園 ~最後のホルモンライス~
満開の桜が余計に郷愁を誘った。競輪場として60年、1914年に開園した花月園遊園地時代を含めれば96年にわたって娯楽を提供し続けてきた横浜の“聖地”がその長い歴史に幕を閉じる時がきた。だからだろう。平日のなんでもないレースのはずなのに朝っぱらから人が多い。記念グッズをゲットするため10時には家を出たが1000人分用意されていたそれは既になくなっていた。とりあえず1レース目から車券に手を出す。金がないので2車複。しかも1点100円で3点までというセコさ。それでも外れれば悔しいし当たればうれしい。結果的に6レース中2レースで的中したが2000円投資して回収は900円。まあ負けた1100円は餞別みたいなものだ。最大のお楽しみはこれで食べ収めとなる「ふくふく亭」のホルモンライス。15分近く並んだ上に「ライスの追加が届かないんであと3人までです」と言われた時にはさすがにドキッとしたが普段の行いがいいのかラスト3人の2番手につけていたので待望のB級グルメにはなんとかありつけた。これで最後かと思うと物悲しさもあったがやはり、いつ食べてもウマイ。見れば見るほどグロテスクな臓物ばかりだが味のシミっぷりがいい。この後に仕事が控えてなければビールもゴクゴクとやりたいところだった。昼食を済ませ、Mr.競輪こと中野浩一さんも出場したエキシビションの「スーパーレース」が終わったところで痛恨の時間切れ。後ろ髪をひかれる思いで花月園競輪場を後にした。関係者によると早ければ7月にも取り壊されるかもしれないという。ほんと寂しい限りだ。