ローディーの味
「これから、どちらかへ走りに行くんですか?」「ええ、ちょっと多摩川を…」ショップでワイヤーの初期伸びを調整してもらった後軽い気持ちでタマサイへ走りに行ったのだが気がついた時には、もう京王閣の前あたりに達していた。これまで最長でも登戸あたりまでしか行ったことが無かったが天気がいいこともあり、どんどん距離を延長。稲城大橋付近のホカ弁で腹を満たし寒さでシビレるつま先を癒すため小さな使い捨てカイロをシューズとシューズカバーの間に差し込んだりしながらさらに上流へと進んでいった。ひとりきりながら、どこまでも行けそうな気もしたが行ったからには帰らなければならない。さすがに冬なので日が落ちるのも早いしとりあえずは片道50キロを目安にした。そして、ちょうど目標の距離に達したのが拝島の水鳥公園。特に、そこで何かをしたいという目的も無かったので機械的にUターンして、来た道を戻った。「もっと早く出発していたらもっと遠くまで行けたかなあ」。そんなことを心の中で呟きながら乾いた唇の周りをペロッと舐めると妙にしょっぱい味がした。昼に食べたチキン南蛮のタレが口の周りについていたわけではない。これは明らかに汗の味だ。昨年、ツールをテレビで見ていたときに山岳ステージを制したラスムッセンの口の周りが汗が固まってできた塩で白くなっていてビックリしたものだが同じような現象が起きたようだ。もっとも、そこまで熱い走りをしたわけでもないが一人ぼっちで走る100キロは例えそれが平坦基調の河川敷でも結構な運動量になる。下唇とアゴの間に溜まった塩を味わいながらちょっとした充実感を感じた。 <本日のデータ> 走行距離・・・103.18km 走行時間・・・4:44’43 平均速度・・・21.7km/h 最高速度・・・36.2km/h 平均ケイデンス・・75rpm