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2006.07.14
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カテゴリ:アート・イベント
始まったばかりで比較的混んでいない、という噂を聞いたので、東京国立博物館のプライスコレクション「若冲と江戸絵画」展に行ってきました。

それぞれの絵の前に人が途切れることはまずない位の混みようでしたが、同じく金曜日中に行ったプラド展と比較すると、チケット売り場の行列も入場制限もなく、ショップでも普通に買い物ができました。

たぶんその原因は、同じ上野公園内でのルーヴル展をやっているから、というのが真相のような気がしますが、予想外に客層が若くてびっくりしました。制服姿の高校生が一人で来てたりするし、大学生風の若い男性も目立ちました。



ともあれ、肝心の絵の方の話を。

目的はやっぱり伊藤若冲なので、わざわざ尚蔵館行きから極力日を開けずに来ました。

六展示室のうち一部屋ほとんど若冲だったのですが、下の「紫陽花双鶏図」に代表されるような神経症的なまでに緻密に書き込まれたもの以外にかなり趣の違うものがあり、興味深かったです。

紫陽花双鶏図

インパクトがあったのが無彩色の墨絵で、非常に簡略化された卵のような曲線で表現された鶴が描かれた「鶴図屏風」は、別人のような大らかな面白さがあり、同じく無彩色で若い頃の作とされる下の葡萄図もまた違う雰囲気があります。

葡萄図



尚蔵館絡みではさらに偶然か故意か、ここにも酒井抱一の「十二ヶ月花鳥図」がありました。

記憶を頼りに比較してみれば、菊のようにほぼ同じ構図・題材のものもあれば、燕子花(かきつばた)のように同じ題材で違う構図のものもあるし、そもそも全く違うものも多かったようです。



他にいいなあと思ったものの一つが、作家のわからない下の「紅白梅図屏風」。この前でいい冷酒と美味しい肴で一杯やれば花見気分に浸れそうな華やかさです。

このブログに掲載している絵画などの画像は全て雰囲気はかろうじて分かるけれど再利用できないように画質を落としているので、画像からはわかりませんが実物に近づいて白梅の花をよく見ると、花びらを色彩ではなくて油絵のように画材を盛り上げて表現してあります。

紅白梅図屏風



展示室は全部で六室ありますが、最後の部屋(第四室II)は主に屏風を集め、両脇の下から斜めに時間とともに強さが変わる照明を当てており、改めて金箔を貼った屏風の美しさに感動しました。一枚だけ銀箔張りの屏風もあり、そちらも渋い輝きがあります。



その他、二枚ある幽霊図や三枚ある鯉の滝登りの絵、または数多い虎や鶴を比較してみてもいいし、見所、楽しみどころの多い展示だと思いました。


[参考]

○ 「若冲と江戸絵画」展オフィシャルブログ  http://d.hatena.ne.jp/jakuchu/

 ジョー・プライス氏による出展作品109点すべての解説。画像付きで画家別に検索可能。





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最終更新日  2006.07.14 23:20:58
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