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2006.09.12
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カテゴリ:アート・イベント
「モダン・パラダイス展 大原美術館+東京国立近代美術館――東西名画の饗宴」だけにするつもりが、行ってみたらかなり嗜好から外れていて収まらず、ついつい同日中なら企画展と併せて入場できる「所蔵作品展 近代日本の美術」に入ってしまい、へろへろに疲れました。


モダン・パラダイス展

徳岡神泉の「蓮」、かなりモダンだったので、この人が栖鳳の弟子というのはちょっとびっくり。

児島虎次郎の「ベゴニアの畠」は、木漏れ日がいい感じです。

シニャックの「オーヴェルシーの運河」は、絵を一目見れば誰のかわかる感じですが、でもブリヂストン美術館夏の常設展(9/18までです)の「コンカルノー港」の方がいい絵のような気も。

この企画展で個人的に一番印象が強かったのが、藤田嗣治の「血戦ガダルカナル」でした。所蔵作品展にもいわゆる戦争画はいくつかありますが、群を抜いてる感じです。

数多い抽象画に近いような現代画は、基本的にあまり好きではありませんが、イヴ・タンギーの「聾者の耳」の前ではしばし立ち止まって考えさせられました。

音が存在しない世界を絵(視覚だけ)で表現するとこうなるのかな、とか勝手な解釈をすると、本来のものが微妙に一部分だけあちこち欠けて映り、もともとのものが想像もつかないような違ったものによって構成されて、全く別の新たな世界観が啓くかも。



所蔵作品展

作品リストが配布されないのが泣けました。あとからネット上で見つけましたが、予め知っていればプリントアウトして持参したのに・・・。

ともあれ、初めて見た川瀬巴水はいい感じで、月頭に終わったニューオータニ美術館の「川瀬巴水展」に行っておくべきだったかもしれません。

鏑木清方と上村松園の描いた女性の絵が並んでましたが、やけに似てる気がしました。

東山魁夷の「青響」と、切手も持ってる上村松園の「母子」に予想外に出くわしたのは嬉しかったです。「青響」の隣の平川敏夫の「樹炎」も凄く好みでした。「母子」の方は、母親の鉄漿(おはぐろ)が小さな切手ではわからなかった新たな発見です。

母子.jpg

川端龍子(りゅうし)の「草炎」は、屏風の地が黒塗りでちょっと素敵ですし、外、いいなと思ったものを挙げると、下村観山の「日本橋(東都名所)」、三谷十糸子「夕」、山口華楊「耕牛」。


牛つながりの余談ですが、今日は東京駅から美術館まで歩き、場所柄またいくつも牛を見ました。先日のブランドショップ街で遭遇した嫌悪感を掻き立てられるようなものはなかったのと、歩いたのが殺風景なオフィス街でいいアクセントになっていたので、「カウパレード」の印象はちょっと改善。


[参考]

○ 東京国立近代美術館    http://www.momat.go.jp/Honkan/honkan.html


○ 一村雨さんの9/2のエントリ 「 モダン・パラダイス展 東京国立近代美術館」  http://plaza.rakuten.co.jp/ennohasikure/diary/200609020000/

 これを書いた後ブログサーチで見つけましたが、やっぱり私のようなしろうとと見てる所がかなり違います。展示コンセプトについては、全く思い及びませんでした。





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最終更新日  2011.09.24 16:52:31
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