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カテゴリ:アート・イベント
東京国立近代美術館で開催中の「生誕100年 東山魁夷展」に行って来ました。久しぶりの美術館です。
もともと嫌いではない画家だったので、-TAKESHI-さんとこの記事を読み、ちょっと期待は膨らんだのですが、展示はその膨らんだ期待よりもさらに良かったです。 バブル期を知ってる世代なら、特に絵画好きでなくとも、森の中の白い馬の絵をどこかで見ていると思います。これは「緑響く」。 その頃、東山魁夷展といえばこんな絵ばかり集めて展示していて、当時やはり流行っていたラッセンやヤマガタのシルクスクリーン同様、万人受けしそうなんだけれどほんのりと商業臭も漂うので一歩引いていたのですが、近年日本画を見て歩くようになって馬のいる絵ばかり描く人ではないとわかり、特に山種で「年暮る」を見て好きになりました。 90点余の作品に加えてスケッチや下書きも50点ばかりあったのですが、ほとんど着色で完成度の高いものばかりです。基本的に日本画なので作品の方はかなりいろいろ描写を簡素化してあるのですが、作品の下書きになるスケッチの方は見たままをそのまま描いており、描写力の確かさが作品よりも良く出ています。 今回の展示は過去最大の回顧展で、代表作のほとんどすべてを集めたと豪語するだけあり、いつか見たいなと思っていた絵やこれまで見たことのあるものはすべて網羅されていて、嬉しかったです。 いつか見たかったのは、「残照」。 小さな印刷物でのみ見たことがあり、さほど感銘は受けなかったのですが、実物はかなり大きく、しばし立ち尽くす位素晴らしかったです。 好きな絵はなぜか冬の絵が多いかも。上から「北山初雪」、「白い朝」、「映象」、「年暮る」。かなり描き方は違うのが面白いところです。特に好きな「映象」はモノトーンとその表現にぐっとくるのですが、「年暮る」の方は前にたつとなにかしみじみとしたものが心の中から湧いて出てくるような気がします。 最後に、この展示で特に一番良かったのが、二階にある唐招提寺の障壁画「濤声」。いつかこれを見る目的で唐招提寺に行きたいと思わされたくらいインパクトがありました。畳敷きの部屋の襖なのに、一面の海の色にまるで水族館の巨大水槽の前にいるかのような気分になります。 5/18まで。いちおし。 [参考] ○ 生誕100年 東山魁夷展 公式サイト お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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