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suzuna

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2005/10/10
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カテゴリ:恋愛小説
…彼はあの時、何を言いたかったのだろう…。

結局その後HRは長引き、彼は終わった途端に友達と部活に走って行った。
そして私は、彼に話しかけるタイミングを逃してしまった。

…ちょうど今と同じように…。



今日、何度目かの休み時間ももう終わり。
結局彼に話しかけることはできなかった。

だっていつも友達と一緒なんだもん。

男の子の集団の中の彼を
呼び出すほどの勇気はない。
そもそも呼び出したところで、何を話せばいいのか。
そうも思うのだけれど、それでも彼に聞きたいことはいっぱいあった。

なんであんなことをしたの?
どうしてその後、何も言ってくれないの?
…あの時は、何を言いたかったの?

彼は絶対に、何かを知っているのだ。
それが何かは知らない。
だけど…
だからこそあんなことをしたのだと、近頃は感じるようになっていた。
直感のようなもので、確信はないのだけれど…。

私には何か、忘れていることがあるのだろうか…。
ふとそんな不安が頭をよぎる。
けれど、自分の過去の記憶は確かで、特別に失っていると思うようなことはない。
ただ、何かを忘れている可能性は、あるけれど…。


目の前で繰り広げられていく日本の歴史をスルーして
自分の考えに没頭する。
もしかしたら忘れているだけで、過去に彼に会ったことがあるのだろうか…。
小学校の同級生の名前ですら、全員なんて覚えてはいない。
その可能性はないとは言い切れない、けれど…
彼の名前に聞き覚えはない。
知り合いならば名前くらいは記憶にあってもいいはずなのに…。



いつの間にか授業は終わってしまっていたらしい。
気が付くとかばんを膨らました友達がバイバイを言って帰って言った。
彼女は帰宅組。
バイト先に気になる人がいるのだと、嬉しそうに笑っていた。

気になる人…。
私にとっての彼みたいな人、かなぁ。
自分の気持ちが恋なのかどうかはわからない。
でも、気になるのは確かだ。
あんなことをされて、気にならないわけなんてない。
そっと唇に指を当てる。
まだ思い出せる、彼の唇の輪郭。

どうしよう…。
いくら逡巡しても、答えはでない。

気が付くと教室はすでにオレンジに染まっていた。
そして…

ガラッ

ふいに大きな音がして、扉が開いた。





(続く)





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Last updated  2005/10/11 01:14:41 AM
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