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カテゴリ:本
ブレイブ・ストーリー(上・下) 著者: 宮部みゆき 出版社:角川書店 両親の離婚を受け入れられない11歳の少年・ワタルは、幽霊が出ると噂される建設途中のビルの扉から、剣と魔法と物語の神が君臨する広大な異世界―“幻界”へと旅立つ。 自分の運命を変えるために。 指定されたアイテムを数点探し出し、それらが揃ったら、運命の女神の待つ神殿に上がることが出来る。 そこでは、願いをひとつだけ叶えてもらうことができる。 魔法を使い、剣で怪物倒し、ドラゴンの背にのって旅したり、……とRPGゲームのような冒険ファンタジーだけど、さすが宮部みゆき大先生、ただの冒険物では終わらない。 ワタルが波乱万丈の旅の途中で誰に出会い、何に出会い、そこで何を学んでいくのかが、物語のテーマで、矛盾だらけの世の中で自分がどうあるべきか、勇気とは、を常に問い続けるような主人公の成長物語になっている。 また戦争、差別問題、孤立している独裁国家、宗教問題……“幻界”の中で寓話化されていて、現実の世界中で起きている事象が子供にも理解できるようなでわかりやすい言葉で描かれていて、なかなか勉強にもなるのでは。 新聞連載小説だったようだけど、これはぜひ少年少女の皆様にお勧めしたい本といえると思う。 もちろん大人が読んでもおもしろいし、身につまされるし、そしてやっぱり最後は泣いてしまう。 ワタルが最後に何を願うのか。 すごく納得できた。 どんなテーマの小説でも最後に希望だけは失わないのが、宮部みゆきの小説だけどこれもまさにそのとおり。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年05月13日 01時19分05秒
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