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2005年05月22日
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カテゴリ:
海辺のカフカ(上下)
著者: 村上春樹
出版社: 新潮社
海辺のカフカ(下) ( 著者: 村上春樹 | 出版社: 新潮社 )

久々に村上春樹を読む。
相変わらず、日常と非日常の混沌世界に引きずられて、読み終えたら夢から覚めた気分になる。
最後のページをめくって、「ありゃ、これでおしまいかい」とあっけない思いにとらわれるのもいつも通り。
でもそのあっけなさは、物足りないというのとは違って、やっぱり眠りから醒めて見続けていた夢が唐突に終わってしまう時に感じるものに近い。

そもそも彼の小説は、結末よりも、その過程がおもしろい。
ミステリーのように事件解決と言う結末に向けての過程ではなくて、また逆に言えば彼の小説の結末は何かを求める過程から生じるひとつの段階に過ぎないという感じかな。
だから、すっきりしない結末に終わっても(この小説もわからないままに終わる部分は多いわけだし)、まあそれはそれとしてと後はこちらで勝手に消化させていただきましょ、というふうに、私は読んでるけど、他の人はどうなんだろう。


小説の出発点は、東京都中野区野方。
そこから15歳の少年カフカは四国のとある小さな図書館に辿りつき、ひっそりと住み始める。
図書館の館長である50歳過ぎの女性の佐伯さんが彼を迎え入れる。
そして時を同じくして、60歳の知的障害を持つ初老の男性ナカタさんも同じく西に向かう。
未来に惑う少年と、過去にしか生きない女性と、過去をもたない空っぽの男性、それぞれが「失われた時間を埋めるために」、閉じられた「入り口」を開ける。

とても抽象的なあらずじになってしまうのだけど、「こんな小説だよ」と人に簡単に説明できない。
登場人物達が、夢と現実を行き来してたり、生霊になってたり、超自然物の啓示を受けてたり、猫と話せたり、というような非日常なことを相変わらずさらりとやってのけたりするけど、決して不自然に感じない手腕はさすがに村上春樹、という小説であるとは言える、か……。


私はナカタさんと星野青年の道行きが好き。
2人のすっとぼけた会話もいい。
静かで暗いトーンの小説世界の中で、星野くんの周りだけはなんか明るくておちゃらけてて、ホッとする。
それに、ナカタさんのも無垢なる魂に触れて星野くんが成長する過程も、小説のサイドストーリーとして楽しい。


読み終わって、ベートーベンが聴きたくなりました。
うちには「大公トリオ」はなかったので、ピアノソナタ集を聴きながら、この感想を書いてます。





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Last updated  2005年05月22日 16時21分16秒
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