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2005年06月20日
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カテゴリ:
「忘れ雪」
著者: 新堂冬樹
出版社:角川書店

表紙のイラストがかわいてくて、つい手にとってしまいました。
ラブラドール・レトリバーの子犬が雪がチラチラと舞う空を見上げているイラストです。
私は盲導犬クイール系の動物感動小説をイメージしました。

しかし、ちょっと違ったようです。

両親に先立たれ、親戚にたらい回しにされようとしている少女が傷ついた子犬を拾い、途方に暮れます。
それを獣医を目指す少年に助けられます。
それがきっかけで、少女と少年の短い逢瀬が始まります。
でもそれもつかの間のこと。
少女は少年に恋心を抱きながらも、別れの時を迎えます。

どうやらただの動物感動小説ではなくて、動物がらみの初恋ハートフルストーリーって、感じのようです。

でも、またテイストが変わってきます。

7年後、少年はいつしか獣医になり、忙しく動物医療に全力を捧げています。
母の死をきっかけに、女性に対して自信をもてずに、同じ動物病院に働く看護士からの求愛を受けることもできずに、閉塞した日々を送っています。
そこに、一瞬にして心を奪われる相手に出会います。
偶然か必然か、彼女は7年前に別れた少女だったのです。
しかしそれに気付かない彼は、彼女に寄りそう婚約者の姿を見て、彼女に遠ざけます。
一方彼女は、彼との再会を胸に出会いの場に戻ってきたものの、かつての逢瀬を思い出さない彼に落胆し、同時に親の決めた婚約者との板ばさみに苦しみます。

こうなると、ほとんど韓国ドラマの世界です。
初恋、再会、すれ違い、恋敵、親の決めた婚約者、病気の父、あれた弟、三角関係どころか5角関係にまで絡まった恋愛関係、……盛りだくさんな内容になってきました。

で、このまま義理人情と恋の板場ばさみに主人公たちが迷い苦しむ姿が描かれていくのかと思いきや、またもやストーリーは展開します。

とうとう殺人事件まで起きてしまいます。
誘拐監禁、ヤクザの脅し、警察の張り込み、主人公の探偵まがいの行動、政治家の圧力……、この小説のジャンルがわからなくなってきました。
ストーリーがどこへ向かっていくのか、着地点が全く見えてきません。

そして、かなりバイオレンスな展開の後、物語は終結に向かいます。

ストーリの終盤は、またも純愛物語に戻ります。
いやー、これって、ほとんど冬ソナじゃん、と思ったら、そう簡単には問屋は下ろさなかった。
うそでしょ、の衝撃的シーン。
こんな終わり方するのかいと憤ってるうちに、物語は完全にはじめのテイストに戻ります。
いやはや何だかなあと思いつつも、最後の数ページは泣かせます。

ひとこと、盛だくさんなtoo muchな純愛小説といいましょうか。
しかし、ほとんど余計だろうと思えるハードボイルドなシーンが、いちばんこなれた描写に思えます。
ほんとに痛いです。
ついでに動物治療のシーンがすごく克明です。
すごく取材して書いたんだなあと思えるほど、いちいち読むのが面倒になるくらい詳細です。
なのに、逆に物語の中心である韓国風純愛シーンは、どうも感情移入しにくい上滑りなやりとりというか……。
主人公2人が語り合う心理テストの部分は、物語の方向性を暗示するし、よかったですけどね。

それで、作者の新堂冬樹さんをネットで調べてみましたら、色々書いていらっしゃるけど、かなりハードな作品が多いのですね。
暗黒の中の人間の極限を描いた……みたいな。
手に取るには勇気がいりそうです。





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Last updated  2005年06月21日 01時47分13秒
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