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「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」上下
J.K.ローリング(訳:松岡佑子)/静山社 ご存知ハリポタ第4弾。 第1巻より、だんだん厚みを増してきて、4巻目にはとうとう上下巻に別れてしまいました。 結構長いです。 内容もさらに盛だくさん、という感じ。 さすがに同じ舞台(ダドリー家&魔法学校)で繰り広げられる物語ですから、マンネリにならないためにもあの手この手といろいろイベント事が生み出されてます。 イントロ部分もお馴染みダドリー家での夏休みなのですが、これもマンネリを避ける為か、おじさんたちのハリーいびりもあっさりしたものです。 その代わり、クィディッチのワールドカップ観戦という目新しい過ごし方しをます。 学校でも、3大魔法学校対抗試合なるものが開催されます。 他校との親善を図るものであっても、それぞれの面子もあり、かなり命がけの危険が予測されます。 それなのに、ハリーは規定年齢に達していないものの、何者かの罠により試合の代表選手になってしまいます。 とまあそういう流れで、一年かけて試合が行われる間にあれやこれやと怪事件が起こり、当然ハリーはすべてに巻き込まれます。 主人公だから仕方ないのだけど、ハリーばかりが目立ってしまうのはどうでしょう。 そういう読み方は日本人的かしらと思ったら、今回は親友ロンまでハリーをやっかむ気持ちが芽生え、友情にひびが入りそうにもなります。 ハリーとしては自分が望んでヒーローになっているわけではないのですが……、そのへんが気の毒です。 そして、終盤とうとう宿敵ヴォルデモートが復活を果たします。 さんざんに張り巡らされた伏線をほぐすかのように、ハリーを巻き込んだ怪事件の真相は明かされるものの、すっきりしないのは、悪の権化の存在がいずれハリー達に災いを成すのは必至だから。 本格的な対決は5巻以降に持ち越されます。 その上、ハリーは罪なき友人の死にも遭遇してしまいます。 彼はいつものように素晴らしい勇気と優しさを持って、自分の目の前の試練に対処していたのに、それが裏目に出てしまう。 それゆえに、いつもように痛快な気分で物語は終わりません。 悪の復活を前に、味方陣営の分裂まで起こり、その後の物語展開に影をさします。 なんだか、少年痛快冒険ファンタジーの域を越えてきてしまった感ありです。 どうなる続きは? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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