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2005年07月19日
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カテゴリ:
7月24日通り

1.モテる男が好き!
2.イヤな女にはなりたくない
3.どちらかといえば聞き役
4.家族関係は良好
5.初体験は十九歳
6.タイミングが悪い
7.ときどき少女漫画を読む
8.夜のバスが好き
9.アウトドアは苦手
10.間違えたくない

上記のサブタイトルに沿って、物語は進んでいきます。

地味で普通のOL小百合が主人公で語り手。
自分自身でそれを自覚して、身の丈にあった生き方をしようと心がけてるような20代の女性です。

どこにでもいそうな女性ではあります。
だけど自分を人生の脇役のように思っている女性が主人公で語り手で、そのさえない日常をつらつらと語られていても、読んでる方はちょっとおもしろくない。
過去も現在も、「しょせん自分はこの程度」と線をひいてしまい、未来をもそれに当てはめようとしている姿に、ちょっと「とほほ感」すらあります。

全体にさらりと物語が進められていて、こりゃ一時間で読めてしまいそうな暇つぶしにしかならない本かな、なんて後半にきて思い始めた頃、物語は動き出します。

そして終盤、ガツンときました。

上記の10個のサブタイトル、これは弟の彼女であるめぐみ(小百合のように普通すぎる女)が、自己分析するためにあげた10か条でした。

「(地味で目立たなかった)自分がどんな女なのか分析して、もてない理由を突き止めようって」

ひとつひとつの解説は、本書をごらんください。
大なり小なり、大抵の女性ははっとさせられると思います。

小百合も納得してしまったように、私もすべて納得しました。
ってゆうか、ほとんど当てはまってしまったというか……。
20代始めのころの自分がそこにいる、とまで思いましたね。
20才前後の頃、私は「私にとって空前のモテ期」にあったのですが(6月21日の日記参照のこと)、それでも小百合達のような自分に対する自信のなさ、というのは彼女ほどではないけど、常に抱えていました。

つまり、この小説を読み進めていて、「なんだかな~」という軽い嫌悪感を覚えたのは、たぶん近親憎悪みたいなものだったのかもしれないな、と気付いた次第です。

そして最後の「間違えたくない」。
これは、ブンブン!と大きく首を縦振りです。

そして、それが、この小説の大きな要です。

小百合の最後に下す選択が、人によっては「えー!」になるかもしれない。
私も一瞬「それでいいの?」と思ってしまったけど、やはり納得しました。
でも、もったいないような気もしてしまうし、でもどっちにしてももったいないかな、……と。
そんな感じで、読後にもいろいろ考え込んでしまった結末でした。
私にもちょっと似た過去があったのが、みるみる甦ってしまって、それだけに複雑な思い……。

嫌悪感から始まった小説でしたが、最終的には大共感で終わってしまいました。
考えてみたら、これって、男性が書いてる小説。
(吉田修一って、結構都会的なおしゃれな小説に見せて、実は男くさいウェットな純文学、という認識が私にはあったのですが)
ちょっと、やられました。


「7月24日通り」吉田修一





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Last updated  2005年07月19日 17時44分04秒
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