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2005年07月30日
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カテゴリ:
恋愛中毒

前にテレビドラマ化されて話題になってました「恋愛中毒」。

ドラマも見なかったけど、予告CMは何度も見かけてたので、すでに頭の中で主人公の水無月美雨は、薬師丸ひろ子なってしまってます。
本書を読んでるとちょっと違う気もするけど、もうすり替え不可能です。

30代バツイチの主人公・水無月は、ロマンス小説の翻訳と弁当屋でのバイトと掛け持ちでどうにかひとりで生活しています。
そんな中、知り合ったのは、売れっ子タレント兼作家の創路功二郎。
人懐こくて強引な創路に振りまわされるうちに、いつしか彼の愛人兼運転手になっていきます。
しかし、彼には本妻のほか、何人も愛人のいる身。
それでも、彼に尽くしていく水無月。
徐々に「恋愛中毒」に陥っていく姿が、水無月の一人称で語られていきます。

同時に、彼女の元夫・藤谷との7年にわたる結婚生活も端的に語られていきます。

「……前略……
 これから先の人生、他人を愛しすぎないように。
 愛しすぎて、相手も自分もがんじがらめにしないように。
 私は好きな人の手を強く握りすぎる。
 相手が痛がっていることにすら気がつかない。
 ……後略……」
小説の序盤に、主人公が自らを省みて、述懐する言葉です。
まあ、小説全般これに尽きるといって過言ではありません。

創路と藤谷は、まったく正反対のタイプの男なのに、恋愛の辿りつく先は同じ場所となってしまう。
がんばってがんばってがんばりすぎて壊れてしまう。
当人の視点で、丹念に恋愛過程が描かれているために、読んでいる方も、
「彼女はここまでの状態に陥ってしまうのは仕方ない」
というような共感すらついつい覚えるかもしれません。

でも、理性的かつ客観的に描かれているようで、結構水無月本人の都合のよい解釈で描かれているわけです。
ここが作者の上手いところなんだろうなあと思います。
読んでいると、彼女は耐え忍ぶ献身的な女。
でも、ところどころさらりと書かれている部分で、彼女のしたたかさやしぶとさ、恐さが伺えるわけです。
でも、本人がその自分の本性に自覚がなくて、常に自分自身が人生において被害者であるように思っている。
彼女にふりかかる災難は不可避のように見えつつも、結構自分で招いているようです。
なかなかお友達になりたくないタイプです。
(実際、水無月さんにはほとんど友人はいないです)

とはいえ、恋愛状態にある場合、程度の差はあってもなかなか冷静に自分を見つめることはできないものです。
たぶん、実際に彼女のような状態に陥る人も少なくはないのだと思います。

私自身、どちらかというと根性も努力も足りない方で、10代終わりの頃に上手くいかなかった恋愛において、
「もっとがんばれば、上手くいったのだろうか」とか
「もっと相手を愛すれば、相手も私を愛してくれたのだろうか」
などと悶々と悩んだことがありました。
しかし、恋愛においては、がんばったからといって努力したからといって、成功するとは限らないし、かえって逆効果になることさえある。
なかなか恋愛の最中は、気付けないのですけど。

そういえば、この本を読んでいて、先日読んだ吉田修一の「7月24日通り」(その感想文はこちら)の一節が妙にリンクしてしまいました。
登場人物の1人が挙げた「もてない女(=恋愛に縁遠い)」の条件のひとつに「家族関係は良好」というのが、ありました。
家庭が心地よいと、劇的な恋愛に身を投じることが難しいらしいです。
その辺は、「家族関係が良好」だった私にも思いあたるふしが……。

本書の、両親との関係がぎくしゃくしている水無月は、その逆のタイプ。
つまり、家庭に居場所がない女性は、異性に強く依存してしまう傾向があるのかもしれません。
(すべて人に当てはまるわけではないですが)

やっぱり、自分の存在は自分1人で抱えきることはできないもので、誰かに支えられないと生きていけないです。
それを両親、兄弟、その他親族、友達、恋人、恩師……たちに、分散して支えてもらえば、うまくバランスがとれる。
しかし、恋人ひとりに自分の存在全てを預けようとしたら、そりゃどんな男の人でも、いつかは支えきれずに潰れてしまうか、逃げ出してしまうか、どちらかでしょう。

なんだか、途中から感想文ではなくなってしまっているような……。

「恋愛中毒」山本文緒





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Last updated  2005年07月31日 04時23分16秒
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