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カテゴリ:本
書きそびれた読書感想文を、2冊分、ちょっとずつ。
●いしいしんじ 「ポーの話」 実家滞在時に、そばの図書館で借りて読みました。 PCが手もとになかったので、感想をアップでしそびれましたが、最近のイチオシです。 川の上流で生まれた無垢なる魂を持つ少年ポー。 さまざまな人との出会いや冒険を通して、少年は成長していくさまが描かれます。 彼が川を下り海に至ったとき、善悪の区別も清濁の区別もない無垢なる魂が辿りついたさきは……。 読み始めは、なかなか物語世界に入りにくかったのですが、入り込んだとたん、本を閉じることができなくなり、ほぼ徹夜で読破。 寓話的で哲学的な大人のためのファンタジーです。 でも奥が深くて波乱万丈で、ラストは滂沱の涙となりました。 読み終えた翌日も本の余韻に浸ってボーっとしてました(寝不足だったし)。 ●絵國香織 「間宮兄弟」 女性から恋愛の「範疇外」とされてしまうタイプの兄弟(35才と32才、2人暮し)のひと夏の恋愛模様が描かれます。 読んでいて、「いい人なんだけどね~」と何度も呟いてしまうようなリアル感がありました。 美少女アニメに凝るロリコンだったりするわけじゃないのに、オタクと差別され、ハナから恋の対象とされない間宮兄弟、徹底的に彼らの視点で小説は描かれているわけで、そしてクセはあるものの常識的で社会性ある人間であるとわかるし、彼らそれぞれのよさも理解できるのだけど……、やっぱり「いい人なんだけどね」と一言で片付けられてしまう様子に反論もできません。 でも、昨今の「電車男」のヒットで、そういった立場の男の子も今後、日の目を見ることができるようになるでしょうか。 ちなみに、私がどちらか選ぶとなれば、お兄ちゃんですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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