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カテゴリ:映画
「男はつらいよ」シリーズの10作目です。
ここのところ、NHK・BSで、集中して「寅さんシリーズ」をやっていて、全部じゃないけどちょくちょく見てます。 見たことのなかった初期の寅さんも見られて、ちょっと嬉しい今日この頃です。 「男はつらいよ 寅次郎夢枕」 ●制作:1972年 ●監督: 山田洋次 ●出演: 渥美清 八千草薫 倍賞千恵子 、他 さすがに10作目となると、だいぶこなれてきた感があります。 寅さんファミリーのやりとりもスムーズで自然で、パターン化している映画冒頭の夢ネタも、寅さん柴又帰還のバタバタも、お約束のギャグも、見ている側としてはもう、「待ってました!」という気分になります。 今回のマドンナは八千草薫。 離婚して柴又に戻ってきた寅さんの幼馴染という役まわりです。 寅さんも久々に再会した彼女を憎からず思っているのですが、同時に「とらや」に下宿している堅物の東大助教授(米倉斉加年)が彼女に一目ボレ。 恋に浮かれて、夜も昼もないという状態になってしまっている彼を見かねて、寅さんは心ならずも恋のキューピッドを引きうけます。 ストーリーを全部ばらしてしまうのは、心苦しいのですが、やはり書きたいっ。 今回、なんと寅さんがマドンナを振る形になってしまうのです。 「寅さんとだったら、(結婚しても)いいわ」 「寅さんとだったら、私自分が生きているって、実感できるの」 と、八千草薫にここまで言われたのに、あまりに動揺した上に、キューピッド役を買って出てしまった立場を慮って、素直に受け入れられない寅さん。 結局、冗談ということにしてしまうのです。 あーあ、寅さんって、実は幸福恐怖症? 「もう、ほんとにばかだね~」 おいちゃんじゃないけど、見てる人間すべてがそう思ってしまうはず。 だけど、そういう寅さんだから、あんなに傍若無人でも愛されてしまうわけだし。 それに、彼がハッピーエンドになったら、シリーズが終わってしまうし。 そんな、激しい(?)ジレンマに陥る切ない恋の結末でした。 おまけに、寅さんが旅だった後に八千草薫が 「寅さんに振られちゃった」 と、みんなの前で打ち明けるのですが、誰一人として信じてくれない。 寅さんって、……とまたもやおかしくて切なくなるエンディングでした。 それから、寅さん映画には、日本各地の美しい風景が登場します。 30年前の日本にはこんな風景があったのか、と驚くほど前時代的日本の姿を拝めます。 映画放映の後で、山本晋也カントクとHNKアナウンサーが感想を言い合うコーナーがあるのですが、そのことにも触れていました。 この頃は、まだ田中角栄が「日本列島改造論」を唱える前のこと。 だから、その地方それぞれの特色にあふれた風景が残っていたそうです。 確かに、今はどこにいっても同じかも。 田園風景の中に、バイパス道路が敷かれ、パチンコ屋が点在し、…… きっと、シリーズが進むにつれて映し出される風景も変化していくんでしょうね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年09月11日 18時13分52秒
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