268713 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ちょっと休憩

ちょっと休憩

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Category

Calendar

Recent Posts

Freepage List

Free Space

nariの最近読んだ本

Favorite Blog

1 obuse55さん
ポプリローズフィー… ポプリローズさん
ミステリの部屋 samiadoさん
まおふ~はいず sirokuro catさん
つきあたりの陳列室 inalennonさん
きたあかり カフェ きたあかりさん

Headline News

Comments

にゃんにゃん@ Re:宝塚が好きです part2 「出待ち」の巻(07/29) 面白かったです!私もまだまだ初心者なの…
ペット総合サイト@ アクセス記録ソフト 無料 楽天 アクセス記録ソフト! http:/…
ペット総合サイト@ アクセス記録ソフト 無料 楽天 アクセス記録ソフト! http:/…
ペット総合サイト@ アクセス記録ソフト 無料 楽天 アクセス記録ソフト! http:/…
2006年01月24日
XML
カテゴリ:
でいごの花の下に

死をほのめかすメモと使い捨てカメラを残して消えたプロカメラマンの恋人。
フリーライターの耀子は、彼の行方を追って、彼の故郷である沖縄にやってきます。
心に闇を抱え、いつも暗い影をたたえていた彼の過去に何があったのか。
真夏の沖縄で、彼の行方と過去を辿る旅が始まります。

舞台は真夏の沖縄。
ギラギラと照りつける太陽。
どこまでも青い空と海。
緑豊かな自然。
風景はとても美しいのですが、前面に描かれるのは熾烈な夏の暑さ。
ここで描かれる沖縄は、決して牧歌的で陽気なだけの南の島ではありません。
南国の強い日差しが作るのは、くっきりとした影。
耀子の恋人を追う旅は、沖縄の影の部分に触れる旅でもありました。

沖縄の過酷な歴史。
そして今も抱える矛盾。
そうしたものが、恋人の過去と旅で出会う人々の生活に密接に関わっています。
作者の池永氏は、沖縄の人ではないようですが、それだけにヤマトンチュー(本州に住む日本人)にわかりやすく説明されます。
ただ沖縄の人間性を描きたいがために、登場人物の台詞が説明調になる傾向も否めませんが。
それでも、東京からやってきた耀子が衝撃を受けるように、読んでいる身にも衝撃が与えられます。
知識として断片的に知っていた歴史の重みが、小説物語と重なって、具体性を伴って読み手にずっしりとのしかかってきます。

そして、主人公・耀子自信の葛藤。
始めは結構、嫌な女として描かれてますが、旅を通して彼女も変わっていきます。
ただ、失踪した恋人やその周囲の人々の家族のつながりは描かれるのに、彼女自身の係累や生い立ちなどについては全く触れられてません。
小説世界が、沖縄と本州の人々、という対立構図を持っているのに、本州代表の耀子自身について書き込まれてないので、読んでいて物足りない気になります。
そういう意味では、失踪した恋人も謎の人物だけど、主人公も十分謎の人物だと言えるかも。

そうは言っても、物語後半の、耀子が滞在する民宿の主人の照屋老人の昔語りのあたりから、泣きどおしでした。
そのあと、恋人の辿り着いた最後の場所を求めて彼女の旅はクライマックスを迎えますが、前半で語られた伏線がうまく活かされ、予想がつきつつもわかっていても泣かされてしまうという感じ。
最終ページでも「そうきたか」と思いつつも、滂沱の涙でした。


おまけ。
私の沖縄の思い出。

沖縄は一度だけ行ったことがあります。
寒い時期でしたので、観光中心でした。
小説でも重要な舞台として描かれる聖なる祈りの地である御嶽(うたき)。
私が訪れたのは、世界遺産にも登録されている斎場御嶽(せーふぁーうたき)でした。
世界遺産だし、さぞかし観光地としてある程度の賑わいはあるのかと思ったら、御嶽入り口に看板は出てたものの、周りには何もなくて、狭い駐車スペースがあるくらいのなんとも寂しい場所。
御嶽自体も、うっそうとした木々の間の岩場に香炉がぽつんと置かれただけのなんともシンプルなものでした。
訪れた時間が夕方近かったせいか、ほかには観光客が誰もいなくて、なんだか間違って入ってはいけないところに足を踏み入れた気分にもなりました。
そして、木々に囲まれているから薄暗いし、何もない場所だけに、やけに場の重みが身体にのしかかってきます。
「こわい」とすら感じました。
その「こわい」は怖れではなくて、畏れの気持ちだったのですが、車に戻るまで胸のどきどきが納まらなかったのを覚えてます。
それから、御嶽に続く小道の入り口まで戻ったら、外国人の女性が1人でヨガのような歩ポーズで座って瞑想していて、それにもたまげました。
もうすぐ暗くなるし、こんな寂しい場所で(周りに人家なし)、どうするんだ??
車に乗ってからもずっと気になってしまいました。


「でいごの花の下に」
著者:池永陽
出版社:集英社





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006年01月25日 03時08分17秒
コメント(0) | コメントを書く
[本] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X