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2006年07月21日
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カテゴリ:
春になったら莓を摘みに

英国留学の経験のある著者による、外国(特に英国)に住む友人知人、時には行きずりでであった人々との交流を描いたエッセイです。
といっても、外国人とのエピソードをおもしろおかしく描いた軽い読み物ではありません。

それぞれ国や文化の違う人と人とが、出会って互いを知っていくということ。
その難しさを実感しつつ、分かり合える喜びと、分かり合えない悲しさを、さまざまなエピソードによって、真摯に、でも余分な感情を交えずに静かな筆致で描かれています。
その真摯な静かさは、彼女の小説世界の静けさに通じるものがあります。

理解できない人々。
しかし、わかり合えないということに関しても、彼女はそのまま捨て置くわけではありません。
彼女が学生時代を送ったイギリスの片田舎の下宿屋の女主人ウェスト夫人の生きかたから多くを学びます。
自分にとってとうてい受け入れられない相手の行為習慣に出会う。
でも、それはその人の背景にある文化や国の事情に基づいている、ということは理解しよう。
そういう姿勢を彼女から学ぶのです。
受け入れられない、だけど認めよう、という姿勢。
理解できない、だけど、受け入れよう、という姿勢。
容易なことではないけど、それを実践する人もいるのだということに、はっとさせられます。
「ありえない」
私たちはすぐそんな一言で済ませてしまうけど、その残酷さにも気付かされます。

またあるときは、日本人であるということも考えさせられます。
欧米では時には、差別される対象でもあるということにも。
そんなことも、怒りではなく、諦観を交えた悲しさで語られます。

そして、彼女は、人と人との交流で得たことから、国同士のありかたへと思いを馳せます。
エッセイが描かれたのが、ニューヨークの同時多発テロを経て、イラク戦争へアメリカをはじめとする欧米の国々が突入するころ。
宗教の違い、はどうすることもできない。
でも、認めがたいかもしれないけど、その違いを受け入れることはできるのではないか。
声高に訴えるわけではないけど、そんな思いも受け取ることができます。

「春になったら莓を摘みに 」
著者:梨木香歩
出版社:新潮社





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Last updated  2006年07月22日 04時15分02秒
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