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テーマ:本のある暮らし(3292)
カテゴリ:本
2006年の思い出の本、パート4。
ジャック・リッチーの著作2冊。 「クライム・マシン 」 訳者:好野理恵 出版社: 晶文社 「10ドルだって大金だ 」 訳者: 藤村裕美 出版社: 河出書房新社 どちらも短編集です。 ジャック・リッチーはすでに20年ほどに亡くなっているアメリカのミステリー作家。 生涯においてほとんど短編しか書いていない人で、そのせいかあまり広く知られていなかったそうです。 で、なぜか一昨年昨年となぜか彼が再評価され、2冊の短編集が刊行されたのでした。 (それまでは、日本ではアンソロジー物には収録されたりしていたけど、著者単独の短編集は初) で、本の内容ですが、実におもしろいです。 いずれもほんとに短い短編なのでいちいちストーリーに触れることはできません。 しかし、傑作選だけに、クオリティの高いものばかりです。 余計な描写を一切省いた無駄のない文章で描かれた内容は、微妙な人間関係、克明な心理描写、詳細な専門分野の説明、……そんな書き込みなんか一切なく、ストーリーの面白さだけで読ませてくれるといった感じ。 それも最後のページに至るまで、ストーリーがどうオチるのかわからないという期待と緊張感も持続させてくれるものばかりです。 寝る前のお楽しみに毎晩1篇ずつ、という読み方がおススメ。 しかし、私はそう思いながらも、あまりのおもしろさに次のお話が気になって、一気読みしてしまいました。 今でも悔やまれます。 それだけ、「読み終わるのはもったいない本」でした。 ジャック・リッチーを教えてくれたsamiadoさん、ありがとうございました!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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