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カテゴリ:本
一昨年あたりから、昔よく読んでいたアガサ・クリスティを読み返してます。
はじめは実家にある本を再読していたのですが、最近は図書館で未読のものを見つけては読んでます。 頻度しては、ここ最近は2週間に1冊くらいの割合です。 読んでいない作品は、結構ありました。 これだけ今も出版されていて読めるというのもすごい。 すでにクラシックでありながら、スタンダードという存在なんでしょう。 映像化もかなりされてますしね。 日本でも、わりと最近アニメ化もされました。 ポアロの助手でもあるマープルの親類の娘、というアニメだけのオリジナルキャラを設けて、ポアロとマープルをリンクさせてしまう荒業が為されたのにはびっくり。 さすがに、ふたり同時に登場するなんていう掟破りはなかったけど。 今も楽しめるという要因は、クリスティのミステリーが人間関係とその会話の中にあること。 だから捜査方法の「時代性」に囚われないわけです。 ポアロは、容疑者たちとの会話を重ねることによって矛盾点や人間性を見出すと言う方法。 マープルは、容疑者たちを彼女の経験的人間関係性の型に当てはめて、パターンを見出すという方法。 どちらも、DNA鑑定や条痕鑑定などあまり必要としません。 ついでに犯罪を犯すのが面倒になりそうなくらいな超絶トリックなんてものも登場しません。 そして、読み終えた後の後味の悪さを残さない親切さもあります。 よって、読んでる側も難しく考えることなく、割合ティピカルに描かれる人間たちの組み合わせの妙を楽しむことができるのです。 で、ミステリーの醍醐味のひとつに犯人探しというのがあります。 お約束としては、「意外な真犯人」。 誰もが疑わないような人間が実は犯人、というのがミステリーでは通常という逆説が成り立ってます。 だから、まずは「警察が最初に疑う人間」は犯人じゃない、という読み方をしてしまうわけです。 しかし、クリスティーの作品の中には、何作は「裏の裏をかいた」犯人が登場するのです。 疑わしいゆえに排除した容疑者がやっぱり犯人だった、というパターンもあったりするわけです。 読者の浅い「深読み」をあざ笑うような真犯人。 「そうか、そういうのもありなんだ……」と愕然とした気分に叩き落されます。 ある意味、これこそ「意外な犯人」。 もちろん、ポアロやマープルは納得いくように説明してはくれるんですけど。 やっぱり、多作な人は犯人も多方面に振り分けないとパターンを読まれてしまうだろうということですかね。 そんなわけで、最近はロシアンルーレット的気分でアガサクリスティーを楽しんでます。 そんな「意外な犯人」はほかの作家の作品でもあるにはあるんですけどね。 時には、ちょっと釈然としない気分にさせられることもあるんですけどね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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