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テーマ:本のある暮らし(3292)
カテゴリ:本
もう2月に入ってしまい、今更だけど。
昨年のマイベスト読書の最終回。 ロシア語圏の作品2点。 「ソーネチカ」 著者: リュドミラ・ウリツカヤ 訳者: 沼野恭子 出版社: 新潮社 こちらは、以前に感想を書いたので、説明省略。 読み終えた後に、なんとも言葉に表せない余韻に浸りました。 「ペンギンの憂鬱」 著者: アンドレイ・クルコフ 訳者: 沼野恭子 出版社: 新潮社 憂鬱症のペンギンを飼っている、売れない小説家のヴィクトル。 新聞社の依頼で、まだ死亡していない著名人たちの追悼録を書くことになります。 しかし、彼に書かれた著名人たちが次々不審な死を遂げ、ヴィクトル自身の身の回りにも危機が……。 ウクライナの作家による作品です。 シュールで、不条理で、サスペンスで、どこかコミカル。 なんとなく村上春樹っぽいテイストです。 (と思いながら読んでたら、訳者あとがきでもそのことに言及していました) しかし、ソ連崩壊後のウクライナが舞台であるせいか、シュールな設定でありながらもなんとなくリアル感が漂います。 マフィアの暗躍なんかは、さもありなんという感じ。 しかし、その緊迫感を虚弱なペンギンの存在が和らげてくれていて、その緩急のおかげでリズミカルに読めます。 ストーリー自体は広がったままで終わらず、きちんと締められているのもいいです。 最後の1行が、うまいです。 村上春樹っぽさは、主人公の日常をこまごま書いているところにも表れてます。 でも、お国柄の違いは出ています。 村上春樹の主人公は、たいていパスタかサンドイッチにビール。 (和食はほとんど食べないので、「欧米か」とつっこみたいところではあるけど) ここでは、ジャガイモ炒めにウォッカ。 アルコール度数がかなり高めのお酒ばかり、やたらに飲んでます。 結局、昨年のマイベストを数えてみたら9冊でした。 ほかにもおもしろかった本はいっぱいあったけど、記憶に強く残っている本がこれまであげた9冊、ということになりそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年02月11日 12時35分44秒
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