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カテゴリ:宝塚歌劇&so on
先日、宝塚観劇に行きました。
(3月4日(日)11時公演) 月組公演 「パリの空よりも高く」 「ファンシーダンス」 「パリの空よりも高く」 ストーリー自体が短いせいなのか、前振りの歌やダンスがやたらに長くて、なかなか始まりません。 一瞬、今回はレビューの方が先だったのかと勘違いしたほどでした。 で、ようやく始まったお芝居。 19世紀末、万博を目前に控えたパリ。 万博の目玉となる「空よりも高い塔=エッフェル塔」建設をめぐって、それをネタに大儲けしようと企むペテン師コンビと人々のすったもんだを描いたコメディーです。 エッフェル塔建設にかける人々の熱い情熱と、それにほだされていくペテン師たち。 「うそから出たまこと」を地のまま行くような展開がちょっと松竹喜劇っぽくて、ほろりとさせます。 (と言いながら、松竹喜劇は子供の頃テレビで見ただけなんですが) 言ってみれば、松竹喜劇を宝塚調に小粋にアレンジさせた舞台、というかんじでしょうか。 瀬奈じゅん演じる主人公は、ペテン師のアルマンド。 詰めが甘くて大仕事を成功させたことがないという、少々小心者。 人々を舌先三寸で丸め込み、エッフェル塔建設を実現に導く力量がありながらも、大金を目の前にして怖気づいてしまうという、2枚目半的役柄です。 ものすごい長セリフを、ものすごいスピードで、よどみなくまくしたてるシーンが結構あって、なかなかの拍手ものだと思いました。 でも、宝塚ってそういうシーンでは拍手が起こらない。 登場するシーンや退場するシーンは拍手するくせに。 アルマンドの弟分が大空雄飛。 ちょっとかわいい役柄でした。 でも、アルマンド自身が2枚目半なんだから、もっと小心でもっとまぬけなキャラクターでもいいんじゃない?と思うのだけど。 あれではちょっとキャラクターがかぶるような気がします。 まあ、それは彼女の演技がというよりは、演出や脚本の問題かな。 でも、彼らに増して、実在の建築士エッフェル(霧矢大夢)がかなり3枚目か。 生真面目さがおかしさにつながるという、喜劇的人物です。 才能もあるしいい人だけど、女性には振り向いてもらえないという、実際にも多数いそうな気の毒な人でもあります。 だまされるものの、最終的には彼の夢はかなうという、救いある結末にはほっとさせられます。 実際の世の中もそうであればいいのに。 エッフェルの、終盤のアルマンドを讃えるセリフには、ちょっとウルッときました。 気の毒なのは、今回、若手の娘役にほとんど出番がないこと。 トップの彩乃かなみすら、一応ヒロインだけど脇役。 2番手以下、みんな通行人程度の役柄でしかない。 その分、組長・出雲綾のエレノールが存在感大でした。 いつもはお笑い担当的役が多いのに、今回はヒロイン以上にヒロインでした。 レビュー「ファンシーダンス」 そもそも、月組は、トップがサービス精神旺盛でいいです。 あさこさんの気恥ずかしいまでの「俺様」的演技といいましょうか。 なんというか、70年代的派手さといいましょうか。 もちろん、それはけなし文句ではなくて、絶大なほめ言葉です。 宝塚を観るからには、こういう過剰さがなくてはつまらないですもの。 ある意味、伝統的宝塚スターといえるかもしれません。 芸達者もいて、美麗な方もいて、そして彼女のようなスター性高い存在(それがスターというのでしょうが)がいて、宝塚は盛り上がるってもんです。 つまり、あさこ、きりやん、ゆうひの3人は、その理想的バランスで成り立っているわけですね。 さて、組替えで、宙から遼河はるひ、花から桐生園加が転入。 お披露目的意味合いもあってか、彼女たちの見せ場も多かったです。 花組は2年以上観ていなかったので、桐生さんのダンスの上手さは改めてびっくり。 あまり長身ではないけど、キレのいいダンスで存在感、です。 そんなかんじで、長身で男前の遼河はるひ、ダンス巧者の桐生園加、が加わって、全体としてバランスがいい感じになったのでは? 前回宙組でも思ったけど、2人入れ替わるだけで、すごく新鮮な気分を味わえるんだなあと実感。 (それって、宝塚戦略にはまっているということですね) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年03月08日 01時40分53秒
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