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2007年04月21日
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カテゴリ:宝塚歌劇&so on
久々の日記は、宝塚観劇記。

花組公演「黒蜥蜴」「TUXEDO JAZZ(タキシード ジャズ)」。
花組とはどうもめぐり合わせが悪かったらしく、ずっとご無沙汰してました。
約2年半ぶりの観劇です。
観ない間に、昨年娘トップが替わっているし、トレードで人も入れ替わっているし、退団していなくなってる人もいるし、全然知らない人ばかりで(特に娘役)……すっかり浦島太郎気分です。
とくに、大抜擢でトップ昇格の桜乃彩音嬢については、それまで存在すらほとんど知らなかったので、興味津々でした。


「黒蜥蜴―明智小五郎の事件簿」

江戸川乱歩原作の退廃的かつ耽美的な原作を基にした作品。
……なはずだけど、これは一体……。

私にとって、明智小五郎といえば天知茂。
テレ朝「土曜ワイド劇場」の「明智小五郎」シリーズに夢中になっていた小学生でした。
(そんな子供にエロチックなシーンの多い番組を見るのを、親は許していたのだと思うと、……)
その中で「黒蜥蜴」は、シリーズでいちばんはまってしまった作品でした。
ポプラ社から出た少年探偵団シリーズにも収録されていて、もちろん当時読んでます。
ついでにいうと、当時大好きだったマンガ家・高階良子も乱歩の原作をもとに「黒とかげ」描いていて、もちろん読んでることは言うまでもありません。
(というか、マンガ「黒とかげ」が、私にとって「黒蜥蜴」とのはじめての出会いでした)

美輪明宏の「黒蜥蜴」(三島由紀夫・脚本)の舞台は観てないのですが、映画のハイライトシーンはみたことあります。
まさに得体の知れない妖艶な美女がはまっている美和さんでした。
三島由紀夫まで「人間剥製」にされちゃう被害者役で出演というおまけつき。
マッチョな筋肉を披露していました。
(その上、美輪さんにチューされてしまうのだ)

ついでにいうと、土ワイの「黒蜥蜴」は、小川真由美。
あの独特な個性が、また違った黒蜥蜴になってました。
(ていうか、私には先に見ているという点で、こっちのほうがオリジナルなんだけど……)
それからこちらも、宅間伸が「人間剥製」にされてしまう美青年役で出演というおまけつき。
彼のデビューがこれだったと聞いたことあります。


美しい男女を誘拐してきては殺して人間剥製にして、それを奪ってきた美しい宝石で飾るのが人生の目的という、狂気と怜悧さを併せ持つ美しく妖艶な女賊「黒蜥蜴」。
それを追う、名探偵・明智小五郎。
二人の天才が対決する中で、互いに恋心にも似た感情を持つようになる。
しかし、互いの立場から一般的な形で恋を成就させることは不可能。
ゆえに、追いつ追われつという関係こそが彼らの愛の形となる。
だから、明智が死んだかと思わせるシーンでは、黒蜥蜴は自分の勝利に喜びつつも恋する相手が自分を追ってこないことに涙する。
そして、最終的に黒蜥蜴が明智に追い詰められて、もはや勝負が決した時点で二人の対決関係(=愛)の終了を意味し、彼女の自害という悲劇を迎えるのでした……。

……というのが「黒蜥蜴」の根底に流れるラブストーリーの部分なんだけど……
宝塚版では、ストーリー展開は原作どおりだけど、根本的に違うものになってました。

(ここから以降、舞台ストーリーの内容に触れてます。
これから舞台を見るという方はご遠慮ください)

まずは猟奇的な耽美性は、取り払われていました。
人間剥製どころか、動物の剥製さえでてきません。
黒蜥蜴の目的が、戦災孤児の保護というボランティア活動に転化。
奪った宝石も活動資金にあてられるという、これってねずみ小僧の女版?
やはり、「清く正しく美しく」の宝塚では、原作そのままやるのはムリなんでしょうか。
しかし、そもそもエログロをとったら、もはや乱歩じゃないと思うんだけど……。

で、二人が恋に落ちて。
明智がいう。
「探偵やめるから、そっちは自首して罪をつぐなってから結婚しよう」

二人の特殊なスリリングな関係を一般人レベルに変えられてしまっているわけで、愕然、呆然。
主題はさらに遠くに消えていくのでした。
「探偵は職業じゃなくて生き方(by大沢在昌)」なんであるから、明智が探偵やめたら明智でないわけだし、あっさり自首してしまうような犯罪者じゃ、はじめから名探偵の好敵手にはならないでしょうし、前提から覆すような展開になってしまうじゃないかと、憮然……。
ていうか、そこを変えたら、もはや「黒蜥蜴」じゃないのでは。
(しかし、舞台の序盤、「明智小五郎は本名じゃないので、探偵やめても明智が消えても自分という人間は消えない」みたいな伏線的セリフはありましたが、……)

それに、なんだか、みんながみんな結婚ばかりにこだわっているし。
(時代設定が戦後日本だから「生めよ増やせよ」的志向?)

しまいには、「実は明智と黒蜥蜴は戦争で生き別れた兄妹」……って韓国ドラマみたいな展開にまでなってしまう有様。
そんな展開は、必要なのか??
戦争の悲劇を描くにしても、やり方があるってものでは?
それに、それじゃあ、ますます黒蜥蜴が自害することないのでは?
結婚はできないけど、最愛のお兄さんと再会できたんだからめでたしめでたし、ではないのか?
まだタブーも犯してないのだから、兄妹であることを悲嘆することもないはずだし。

つまりは、あらすじだけを借りて別なテーマでお話を作るから、齟齬が生まれることになるのではないかと思うのですが。

うーん、これが「黒蜥蜴」ではなかったら、それはそれなりに楽しめる舞台ではあったと思うのだけど……。

……役者さんたちはそれなりに好演されてたと思います。

春野寿美礼は、スマートでスウィートな明智小五郎。
もちろん、渋くてニヒルさを漂わせる天知茂とは違うけど、これはこれでまあいいです。
(って、えらそうだが)
でも、彼女が黒蜥蜴をやるという選択肢もあったと思うけど、どうなんだろう?
年齢的にもキャリア的にも、それに実際、黒蜥蜴の方が主役的扱いの脚本だったし。
やはり「黒蜥蜴は処女」にこだわっていたのか……。

桜乃さんは、難役をがんばっていたと思います。
そもそもリアリティーに欠ける役だから、役作りからして苦労しただろうなあと思うし。
「妖艶なマダムのはずの黒蜥蜴が実は20歳そこそこの生娘だった」なんていう設定で、よくやれたなあと。
彼女は老けて見せることもできる人だから、マダムなままの設定でやってもよかったと思うのだけど。
クラブのマダム姿もなかなかさまになってたし。
しかし、どうも脚本・演出が、戦争孤児と結婚と処女性にこだわっているようなので、仕方ないのか。
破綻はあったと思うけど、それは彼女のせいではないと思う……。

それ以外は、早苗役の野々すみ花が好演。
かなりの若手で大抜擢だったと思うけど、清楚さ可憐さの中の強さがよく出てました。
それから、壮一帆が波越警部……。
私にとって、波越警部は荒井注なのに……。
きっと史上最美形の波越警部だな、これは。
雨宮役の真飛聖は、ちょっと影が薄かったような……そういう役設定だから仕方ないのだけど。
あと、小林少年がとてもキュートでいい感じ。
桜一花、チェックです。

そんな感じで、
子供の頃に刷り込まれた「黒蜥蜴」のインパクトがあまりに強かったために、ずっと違和感を持って舞台を見る羽目になってしまいました。
それって、私にとっても宝塚側にとっても不幸なことでありました。
原作を知らずに観れば、もっとおもしろかったと思います(たぶん)。
というか、私の方にここまで原作に思い入れがなければ、もっと楽しめたと思います(きっと)。
ついでにタイトルに「黒蜥蜴」なんてつけずに、原案程度の扱いにしておいてくだされば、私も割り切った気持ちで、過剰な期待を持たずに、宝塚歌劇として観られたと思います(絶対)。


ショー「TUXEDO JAZZ(タキシード ジャズ)」
こっちも書きたかったけど、「黒蜥蜴」に力が入りすぎて、燃え尽きました……。
またの機会に。

そういえば。

桜乃彩音さん。
何をもってトップに大抜擢されたのでしょうか。
おささんとの並びに合う、すっきりした容貌?
演技力?
(「ファントム」に続いて、かなりビッグな役ばかりやられているし)

……少なくとも歌じゃないよね。





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Last updated  2007年04月24日 03時43分36秒
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