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カテゴリ:映画
しつこく続いた市川崑監督「金田一」シリーズ日記、最終回。
いろいろツッコミどころもありながら(いや、あるからおもしろいのだけど)、怖がったり笑ったり泣いたりと、楽しく見ていた5作品。 でも、キャストにおいて一人だけ、どうしても納得できない人がいました。 「女王蜂」大道寺智子役、中井貴恵。 当時新人だった中井貴恵。 若くして亡くなった銀幕のスター佐田啓二の愛娘ということもあって注目されていたんだろうなあと想像ができるにはできます。 しかしこの役はミスキャストだろうと、私は子供の頃から幾度となく思い続けてきました。 源頼朝と恋に落ちて子を宿した佳人の末裔といわれる大道寺家のお姫様。 伊豆の鄙びた里で生まれ育ちながらも、類まれな美貌の持ち主で、男たちを狂わせる魔性の魅力をたたえた少女。 (とはいえ、本人自体はいたって世間知らずの箱入り娘なんですけどね) 3人の求婚者、運命的出会いをする多門連太郎、怪しい霊能力者、……みな彼女のとりこ。 (まあ、財産狙いということもあるのだけど) その上、義理のお父さんときたら、娘の母親を愛するあまり、娘に対しても愛情過多となり、他の男のものになるのをよしとせず、彼女に求愛する男たちを3人(過去にも1人殺してます)も殺してしまうというムチャぶり。 そんな少女(18歳)が、中井貴恵……かなりの違和感です。 いやいや、今見てみると、彼女もかわいくて魅力的ではあるのです。 しかし、役柄が求める人物像には何かが足りないし、何かが邪魔してる。 たぶん足りないのは、みやびで妖しい美しさ。 といっても、智子さんは箱入り娘で、もちろん処女ですから、わかりやすい色気があってはだめ。 清楚でありながらも、出自をうかがわせるような典雅さ、伝説を背負って立つような神秘性、そして周りがひれ伏すような気高さも併せ持たないとだめだろうな、と思うわけです。 そういう点では、中井貴恵は庶民的すぎる気がします。 それに、新人ゆえ、演技だけでそれを表現するだけの力もないわけですし。 そして、邪魔してるのは、知性。 その後のスタンスもそうだけど、彼女は「知的美人」女優なんですね。 しかし、この役にはそれは不要。 なんたって、わけもわからず翻弄される美女なんだから。 ちなみに中井貴恵は、「病院坂の首縊りの家」にも出演してます。 役どころは、横溝正史を思わせる推理小説家(横溝正史本人が演じてます)の姪。 理屈っぽくてまじめで清楚な薬学専攻の女子大生役です。 脇役ではあるのですが、これが実に彼女のイメージにあっていて、「これでしょ!」といいたくなるようなどんぴしゃなキャスティング。 そんな彼女が智子とは、やはりミスキャストといわざるをえません。 で、だれだったら納得できるだろうと、「女王蜂」が映像化されるたびに注目してきました。 私が見た智子役は、 井森美幸 墨田ユキ 川越美和 栗山千明 私の中では、ベストはダントツ栗山千明。 昨年正月にテレビ放映された稲垣吾郎の金田一シリーズの「女王蜂」に出演。 昨今の若手の女優さんたちにはない、他を圧倒するような独特な美貌が智子役にはまってました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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