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2007年05月30日
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カテゴリ:


「水辺にて」
著者: 梨木香歩
出版社: 筑摩書房



日本各地の湖や川をカヤック(カヌーのようなものですね)で漕ぎ出して行く体験や、外国を旅した折の川や湖にまつわる思い出を綴った、まさに「水辺にて」のエッセイ。
筆者らしい、静かで美しい筆致で綴られています。

恐らく、筆者にとってカヤックを操ることは、「スポーツ」や「レジャー」ではありません。
大自然の懐に抱かれるための手段です。
騒音も立てず、空気も水も汚さず、生き物を傷つけることもない。
つまり自然を脅かすことのない、人力だけで進む乗り物という存在。
水辺まではカヤックを自動車に載せて運び、水辺で降ろして、そして漕ぎ出して行く。
水辺まではCO2を排出しているけど、いいの?とちょっと突っ込んでみたいけど、でも読んでいるうちに、水辺というのは「境界」なのだと捉え方になじんでいきます。

水辺。
人間の住む場所を隔てるもの。
人間社会と自然世界との境。
こちら側とあちら側の境。

あちら側に受け入れてもらうために、静かに漕ぎ進んでいく、ゆったりとした時間。
それでいて、沸き立つ楽しさにワクワク感。
五感すべてで受けとめる、水、風や木々や動物たちの姿。
そして、あちら側に身をゆだねる充実感や心地よさ。
そういったものが筆者のいつもながらの静謐さをたたえた文章で綴られるのです。
時には漕ぎ出していく喜びにはしゃいだ気分が文章にも表れていて、あわせて彼女の40代後半という年齢も鑑みたりもして、こっちもほほえましい気分になります。

彼女の小説でも感じられるけど、植物や動物、身の回りの自然に対する愛情は通常の人よりも大きく深い。
たぶん、彼女は都会で雑多な人間関係を軽々とこなすタイプではないのだと思われます。
で、たぶん人にテンポを合わせるのが苦手なタイプで、たぶん依怙地なまでにこだわりがあってマイペース。
(……と、まで書くと失礼かもしれないけど)
そして、たぶん、自分自身がいちばんありたい自分の姿が、自然界に浸っているときなのだろうと、文章から感じ取れます。

時には「囚われている」という状態にも似た彼女の水辺に向ける静かな情熱。
読んでいるこちらも、いつもと違う時間の流れに連れて行ってもらえます。







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Last updated  2007年05月31日 02時13分04秒
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