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カテゴリ:本
3月になったので、さっそく「2月に読んだ本」その1
三津田信三「凶鳥の如き忌むもの」 怪異譚を求め日本中をたずねる小説家・刀城言耶は瀬戸内にある鳥坏島の秘儀を取材しに行く。 島の断崖絶壁の上に造られた拝殿で執り行われる“鳥人の儀”とは何か? 儀礼中に消える巫女! 大鳥様の奇跡か? はたまた鳥女と呼ばれる化け物の仕業なのか? 本格ミステリーと民俗ホラーを融合させた高密度推理小説。 (「BOOK」データベースより) 三津田信三「首無の如き祟るもの」 奥多摩に代々続く秘守家の「婚舎の集い」。 二十三歳になった当主の長男・長寿郎が、三人の花嫁候補のなかからひとりを選ぶ儀式である。 その儀式の最中、候補のひとりが首無し死体で発見された。 犯人は現場から消えた長寿郎なのか? しかし逃げた形跡はどこにも見つからない。 一族の跡目争いもからんで混乱が続くなか、そこへ第二、第三の犠牲者が、いずれも首無し死体で見つかる。 古く伝わる淡首様の祟りなのか、それとも十年前に井戸に打ち棄てられて死んでいた長寿郎の双子の妹の怨念なのか―。 (「BOOK」データベースより) 怪異譚オタクの作家・刀城言耶シリーズの2巻と3巻。 どちらも横溝正史みたいな京極夏彦みたいなおどろおどろしい世界が展開します。 ついでに時代背景もそのあたり(太平洋戦争をはさんで事件が語られる)で、時代をそこに置くメリットもふんだんにいかされてます。 メリットとは、たとえば、まだまだ迷信深い人が多いとか、警察の科学捜査に限界があるとか、戦争による混乱が及ぼす影響とか、そんなところです。 「凶鳥……」の方は、前半はかなり冗長で読み進めるのに、かなり苦労しました。 ミステリーを読んでいて、眠くなるという経験は初めてだったかもしれません。 ストーリーとしては悪くないと思うので、たぶん筆力とかテンポの問題なのかもしれません。 それが、「首無……」になると、かなり筆がこなれてきます。 同じ人が書いたのかと思うほど、読みやすくなります。 冗長さはあるものの、冗長さを楽しめるだけの描写力があるという感じです。 どちらも不可能犯罪的密室ミステリーの形であり、どちらも私にとっては驚愕のトリックであり真相であったりします。 ホラーミステリーは、真相がわかってしまうと急に部屋の明かりが20ワットから100ワットになったみたいにしらけてしまうものも多いけど、こちらはどちらも最後まで薄暗くどろーんとした雰囲気が続いてくれるのもいいです。 三谷幸喜「役者気取り」 朝日新聞連載のエッセイの単行本化第6巻。 三谷幸喜の、シャイで大胆、引っ込み思案で出たがりという複雑キャラ全開です。 続きは、また後日。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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