昨年読んだ本から、ベストテンを選んでみました。
今回は国内編。
10位
「八番筋カウンシル」
津村記久子
大阪のさびれかかった商店街を舞台に、人生の岐路に立つ幼馴染の3人を描く。
地味な物語なのに、おもしろいと思わせる作者の筆力に感服。
9位
「テンペスト」
池上永一
幕末期の琉球王国が舞台のジェット・コースター大河小説。
「チャングム」と「リボンの騎士」と「蒼穹の昴」……を足して割ったような……。
8位
「隠蔽捜査」
「隠蔽捜査2 果断」
今野敏
警察庁キャリアの竜崎のキャラクターが痛快なシリーズ2冊。
3巻目も出ているけど、私としてはイマイチだったので、あえて2冊。
7位
「ジョーカー・ゲーム」
「ダブル・ジョーカー」
柳広司
日本帝国陸軍内に誕生したと諜報組織―通称D機関のスパイたちの活躍描いたシリーズ。
アクションなし、色恋なし、秘密兵器なし、……007とは対極なスパイたちの姿にしびれます。
6位
「新世界より」上下
貴志佑介
1000年後の世界(日本)が舞台のSFホラー。
博覧強記の作者の知識を駆使して描かれたエンターテイメントであり、まさに大作。
ノスタルジックでありながらグロテスクで、怒涛の展開ながらアイロニーに満ち、
最後の最後まで気が抜けない小説でした。
5位
「錏娥哢〔タ〕(あがるた)」
花村萬月
一言で言えば、時代伝奇ロマン。
忍者小説であり、アクション冒険小説でもあり、ナンセンスコメディーでもあり……。
いやもう、脱力するくらい楽しいです。
エログロ度高しですが。
4位
「チョコレートコスモス」
恩田陸
恩田版「ガラスの仮面」。
かなり前に1度読んでいて、これは再読。
それでもおもしろかったです。
私的には、恩田作品のベスト3に入る作品。
3位
「獣の奏者」全4巻
(1闘蛇編 2王獣編 3探求編 4完結編)
上橋菜穂子
子供だけに読ませるのはもったいない壮大なファンタジー。
こういう異世界物はあまり読まないのだけど、すごく引き込まれました。
愛と寓意に満ちた稀有な物語。
2位
「モダンタイムス」
伊坂幸太郎
ある言葉を組み合わせてネットで検索すると、死が訪れる。
そんな都市伝説みたいな事件に巻き込まれる主人公たち。
「魔王」「呼吸」の続編にあたり、社会のシステムについて考えさせられる1冊。
読んでいて思ったのは、「テーマが村上春樹っぽい」。
もちろん、伊坂幸太郎なので、
よりテンポよくポップで、痛快で、きちんとすっきり終わる小説になっています。
1位
「1Q84」
(book1、book2)
村上春樹
「やはり、お前もか」と言われそうですが、やはり「1Q84」。
book3の発売が待たれます。