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2010年02月03日
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カテゴリ:

「ぼくと1ルピーの神様」
ヴィカス・スワラップ
子安亜弥 (訳)
(ランダムハウス講談社 )

samiadoさんのブログでお勧めされていたので、さっそく読んでみました。

私は観ていないのですが、アカデミー賞に輝いた映画「スラムドッグ$ミリオネア」の原作です。
さすが、映画化されただけあって、波乱万丈でハラハラドキドキに満ちた本でした。
お風呂で読んでいて、なかなか止められなくて、すっかり長湯になってしまいました。

主人公は、インドのスラム街で育った無学で身寄りのない青年ラム。
その彼が、大金をかけたクイズ番組でなんと全問正解してしまう。
出題されるクイズの答えが、すべて彼の人生の端々で体得した知識だったのだ。
……という偶然と奇跡の物語。

……という、あらすじは、映画の宣伝などで、ご存知の方も多いかと。

映画はどういう展開で描かれるか存じ上げません。
小説では、詐欺容疑で逮捕されるラムが弁護士に無罪を訴えて、自分の生い立ちを語るという形式をとります。
それが、あえて、時系列ではなく、クイズの出題に沿って語られるところが、ミソ。
飛び飛びに提示される彼の人生が読んでいていろんな想像や憶測を生み、あちらこちらの散りばめられた伏線を拾って、パズルのピースをつなぎ合わせるような楽しみもあります。
心憎い演出といったところです。

しかし、本書のテーマは、「クイズに勝ち続ける幸運」とか「運命の大逆転」とか「人生の奇跡」とかではありません。
それ自体は上手いツカミであり、読み手はひきつけられます。
でも、実際に見せつけられるのは、「人生そのものの肯定」といったものじゃないかと。
そして、「何をおいても生き抜くという力」も。
過酷な生活の中、ラムは運任せに漂ってはいません。
野良犬のような扱いを受けようとも、精一杯の知恵を働かせて数々の危機を乗り越える。
時に不道徳で不法行為があろうとも、その賢くも逞しい姿はとても痛快です。

そして、ラムの対峙する状況は、現代インドの抱えるさまざまな問題を反映しています。
想像を絶する貧富の差や児童虐待、そしてカースト制度、宗教問題……。
作者の本職は、インドの外交官とのこと。
おそらく上流階級に属する人なのだろうと思われますが、そんな彼がこれだけの「インドの恥部」に触れている点でも、興味深いです。

文章はとても読みやすく、中高生にもおすすめ。
「自分の恵まれた環境をありがたく思え」というのではなくて、「世界は自分が思うより広い」ということを実感してみるのもいいんじゃないかと思います。


映画も合わせてどうぞ。
 

『スラムドッグ$ミリオネア』/DVD

出演:デーヴ・パテル/アニール・カプール/イルファン・カーン ほか
監督:ダニー・ボイル
脚本:サイモン・ビューフォイ






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Last updated  2010年02月04日 17時10分10秒
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