|
カテゴリ:日常
我が家の近くには、大きな公園がある。
5年前にその公園に一人の汚らしいルンペンが来て、ベンチに寝ていました。 70代くらいの酷く汚いおじいさんでした。 1年くらいして、その近くのベンチにまた、 一人の汚らしいルンペンのお婆ちゃんが来て、タバコを吸っていました。 それから1年くらいたって、お爺さんは寝っ転がらなくなりました。 二人は、時々離れたベンチから、しゃべっていました。 それから、しばらくすると晴れた日は大抵、自転車で同じ時間に来て 時々一緒のベンチに腰掛けてしゃべるようになってさ、 その後は常に一緒にいてさ、 お爺ちゃんはちょっと小ぎれいな服装になって来たとおもいねえ。 ある日は、私が出かけて、5時間たって帰ってくると、 なんと、まだしゃべってんのよ。 そして、自転車も2台くっついて置いてあるし、 何だかお婆ちゃんのほうも、小ぎれいなシャツなんか着て、 可愛らしいお帽子なんか被っちゃって、 ちらりと白い細いうなじが、色っぽいの。 汚いルンペンがベンチで寝てると怖いけど、 うれしげなカップルなら、じじばばでも、ほのぼのした風景になるよ。 私たち夫婦は時々太ったからだを少しでもスリムにしようと 無駄なあがきの散歩をしているんだけど、 ある日、川端の橋脚の部分に、 ペンキのスプレーで書いた、誰かのいたずらがきを見つけた。 それは、傘マークの下に、「わくい・まりこ」と、 やたらにへたくそな文字で、でっかく書かれていた。 時々中学生や高校生のカップルがその辺でこそこそ デートしているのに出遭うのだが、 私たち夫婦はその日からそういう連中を見ると、 「あ、あそこに、わくいとまりこがいる~」と、小声で言って笑う。 だから、例のおじいちゃんとおばあちゃんのカップルは、夫が、 「わくいとまりこの成れの果て」と名付けた。 あれから、2度の春と夏が、過ぎたけど、 わくいとまりこの成れの果てさん達は、姿を見せなかった。 どちらかが、病に倒れたのか?何故か気になるのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|