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カテゴリ:日常
男性よ、
妻に、愛してると言っておあげなさい。 私が若いころから、<物質文明が、人間をダメにする>と 良く耳にしたものだ。 世界が、まだまだ極端に物がなく、不足ぎみの長い時代。 そんな時代に生きた人間は、 想像力が大きく、なんでも心の宇宙に思いをふくらませて、 何もなくても、有るほどに感じることができたと思う。 特に、日本は、西洋と違って、貧しい貧しい国だったから、 4畳半の茶室で、また、小さな盆栽で、また、たった1輪の野花で 大宇宙を感じることができた。 人と人が、何も言葉を交わさなくても、周囲の状況を察して、 相手の心が、分かってしまうという感覚が育ったと、思う。 よく言う察する文化だ。これは高度な人間力であろう。 物が無いぶん、感覚がシャープになり、大胆にも、細やかにも、 思いがふくらみ、想像力が働くのだ。 しかし、今では、物が有り余るほどに氾濫してしまった。 言葉もありあまるほど氾濫し、歌や、音楽も、 これでもか、これでもかというほど氾濫し、溢れ過ぎてしまった。 人間は1つ聞いて10のことを知る感度、能力が落ちたと思う。 10のことをわかるのには、物も言葉も、音楽も、 100も、200も出してもらわないとならない。 人間は、不感症のようになって来たのではないだろうか。 昔の歌手は、舞台でまっすぐ立って歌えば、みな、涙に暮れた。 最近の舞台の派手なこと。大音響。大舞台のけれんに満ちたしかけ。 映画のCGのものすごさ。 宮崎さんのアニメは、けっこう、わかりにくい。 映像から、考えを、心で、ふくらませないと、わかりにくい。 多分、高度な映画なのだろう。 アメリカ映画でも、4年くらい前、アカデミー賞をとった、 「アメリカンビューティー」という映画は 私はどこがビューティーなのか皆目分からなかったが、 映画の芸術をよくわかっている人々が、認めたのだから、 あの映画は、アカデミー賞に値する芸術的な物なのだろう。 分からないのは、人間の力が低いということだ。 外人は、毎日、愛してると言うそうだ。 日本人は言わない。 だまっていても、愛は大きく、広く、深いのだ。そして、 何もいわれなくても、愛されていると感じられるし、 信頼できていて、それが、永遠に続くのもわかるのだ。 毎日愛してると言わないと、愛されていることも分からず、 相手を、信用できないというのは、人間のレベルが、低いのではないか? しかるに、最近の日本人は、言葉で言わなきゃならない風潮である。 とりもなおさず、高度な人間力を失いつつあるのだろう。 物を生産しすぎて、世界の気候変動が起きるようになって、 物質が不足しがちの時代がくるまでは、人間の能力は、 もとに戻らないだろう。 男性よ、 妻に愛してると言っておあげなさい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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