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カテゴリ:大学時代
4月になると、結婚記念日がくる。
結婚記念日を祝うなどという派手な事は、 一度も思ったことがない。 毎日が忙しく 忘れ果てた年月だ。 それでも、結婚40年のお祝いだけは、 息子が、 旅のプレゼントをしてくれた。 私達は、 結婚の話が決まってから、 たった1ヶ月で、式の日を迎えた。 だから、 デートは、たったの三回。 ラヴレターは、たった1通。 ラヴレターをもらった時は、母にも見せて喜んでもらったし、 結婚という前提のお付き合いというものは、 こそこそする事も無く、 大手を振って、ラヴレターを見せびらかすなども、 感慨深いことであった。 結婚してから ある日、 そのラブレターを読み返してみた。 すると、 その、愛情に満ちたラブレターが、 今のしあわせよりも随分つまらないものに見えた。 夫の渾身の作品。 愛の溢れたラヴレターは、本当にすばらしかったが、 現実の夫からの愛は、 もっともっともっともっと深く大きくて、 手の中にあるラヴレターは、何でもない手紙に思えた。 こういうラヴレターなんか取っておいたら 後々 こんな程度の小さな愛だったのかと誤解してしまう。 これでは、フェアではない。と、強く感じるのだった。 だから、すぐに 捨てちゃお!と思い、あっさり捨ててしまった。 今ごろになって、 ああ、たった1通のラヴレター。 取っておいたらよかったのにぃ~~~ どんな純情な言葉が書いてあったんだったかしら? たった1通しかもらわなかったラブレターなのに。 大切に保存すべきだったなと、ふと、思うのです。 だはは… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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