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カテゴリ:日常
昨日テレビにて、
藤沢秀行さんの壮烈な囲碁塾のビデオ放映があった。 この人物のことは、初めて知ったが、多くのトップ棋士を育てた人である。 テレビに出ている画像では、 失礼を顧みずに言わせてもらえば、 何やら、偏屈な、昔風の教育塾にありがちなお爺さんに見えた。 でも、目が離せなかった。 彼が亡くなるちょっと前、 病院のベッドにて、 顔は死相が出ているほどで、手も動かないくらい弱っていた日 大きな紙に、毛筆で文字を書くと言う。 《 強烈な努力 》 と、揮毫された。 その文字のすばらしさ! 最後に残った全身の力を集めて出し切った太い強い文字だった。 涙なくしては見られない壮絶なものを感じた。 感動した。 テレビに向かって、すばらしい!と叫び、拍手をした。 私は勇気が湧いてきた。 最近の世の風潮では がんばれという励ましの言葉は、相手が萎縮するから言ってはならないとか。 その上 《がんばらないの》とか、《ゆとりが大切》とか《のんびり行こう》とか 《そのままでいいんだよ》とか、《人間だもの》 とか、 癒しの言葉が多々広がっている。 私はそんな癒しの言葉に初めて出会った25年ほど前は感動して、 本まで買ったほどだったが、 今では、もう、私の気分にはなじまなくなった。 やっぱり、ちょっと違うなぁ、と感じて来たのだ。 人間は、死の直前まで、努力し、がんばらないとならない。 そう思い始めている。 そこに、 この藤沢秀行さんの最期の烈々たるパフォーマンスだ。 うれしかった。 恐れながら、彼の姿勢に、ほんのちょっぴりだが、 私と一致するものを見つけた。 私も、年を取って、弱ったとしても、 体が動く限り、精一杯働くつもりでいる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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